初モノも恐るるに足らず!!

 広島野村謙二郎監督(43)が6日、7日からの阪神3連戦(甲子園)を控えて打撃陣に「速攻指令」を出した。同カードには1軍の公式戦では広島戦初登板のフォッサム、スタンリッジ、鶴の3投手が先発予定。特徴、球種などが不足気味で、打席では早いカウントから積極的に打って出る方針だ。交流戦直前で最後の同一リーグ戦。チームに勢いをつけるためにも、超攻撃的姿勢で挑む。

 今季初めて、野村監督はグラウンドに姿を見せなかった。オープン戦期間中の3月20日以降、47日勤続だったが、つかの間のオフで英気を養った。体を癒やしても頭脳はフル回転。この日昼すぎに横浜から神戸入りすると、猛虎との戦いに思いをめぐらせた。

 野村監督

 先発、誰が来るの?

 フォッサム?

 球を見ていくと、どうしても追い込まれて不利になるから、早いカウントから、どんどん振っていくことが大事。振ることで、どういう球を投げるとか、球筋とかも分かってくるからね。

 7日からの阪神3連戦は、広島にとって、手探り状態で戦うことになる。初戦は正真正銘の初顔合わせとなるフォッサム、8日は今季2軍戦で1度対戦しただけのスタンリッジがスタンバイ。9日も右足を骨折した天敵能見の代役として鶴が登板する予定だ。若き右腕も2軍戦で“接触”しただけ。様子を見て、不利なカウントに追い込まれて打ちあぐねるのが最悪のパターン。3連戦ともに広島戦初登板初先発となればレアケースだが、相手の術中にはまらないためにも指揮官は「速攻」を求める。

 今季はここまで4試合、初登板初先発の投手と戦ったが、2勝2敗と「初物」を苦にしていない。それでも、攻略するためのヒントは多いに越したことはない。開幕直後に阪神入りしたスタンリッジとは、ソフトバンク時代の08年にオープン戦で1試合戦っただけ。再来日後は4月15日に甲子園で2軍が戦った。その模様はテレビ中継され、水本ブルペンコーチもチェック。「球威は、そこまでないが、しっかりまとめてくるタイプ」と分析する。鶴とも同24日に2軍が対戦している。野村監督が「球種などのデータは(2軍から)来るだろう」と話すように、2軍と連携して情報面でも最善を尽くす。

 チームは5日までの9連戦を4勝5敗で消化し、甲子園に乗り込む。5日横浜戦の敗戦後には、指揮官は「打者も粘り強さを持っている。スッキリした試合をしたいですね」と願望を込めた。不安定な投手陣を打線がリードする形で、13日楽天戦(呉)から始まる交流戦に勢いをつけたいところだ。【酒井俊作】

 [2010年5月7日10時23分

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