<阪神3-2楽天>◇15日◇甲子園

 セ界最強の恐怖の「2番」だ!

 阪神平野恵一内野手(31)が、岩隈打ちでセ・リーグ打率10傑の4位に躍り出た。今季4度目の猛打賞を記録し、4打席目に規定打席に達した。好調の理由を「マートンが調子がいいので、自分も負けられない」と甲子園初のお立ち台で笑ってみせた。打率3割5分3厘は、マートンの3割5分4厘に次ぐ成績。最強の1、2番コンビが猛虎打線をリードする。

 初回、岩隈の内角高めの131キロスライダーを引っ張った。同点につながる二塁打。3打席目は、2死二塁で外角低めのフォークに対応。三塁線を抜けようとする打球はベースに直撃し走者は返せなかった。それでも「鳥につなげたからいいです」と“つなぎ役”まっとうした。4打席目にも二塁打を放ち、「本当に日本を代表するいい投手」とたたえた右腕からの3安打だった。

 4月24日の中日戦(甲子園)で屈辱を味わった。同点の6回、先頭打者として一塁にヘッドスライディングをかまして内野安打で出塁した。持ち味を発揮し、勝ち越しの本塁を目指そうと立ち上がったそのときだった。野球人生初めて、代走を送られた。「こんなことなかったよ」。スピードを売りにする選手にはつらすぎる現実だった。屈辱の日以降、51打数22安打で打率4割3分1厘。悔しさを糧にしたガッツマンが頼もしい。

 [2010年5月16日10時45分

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