<巨人5-0中日>◇18日◇東京ドーム
セ・リーグ首位の巨人が、約1カ月半ぶりに再開されたリーグ戦で完勝発進した。先発の内海哲也投手(28)が、苦手の中日打線を2安打に抑え、無四球9奪三振の今季初完封で6勝目。打線は小笠原道大内野手(36)の15号3ランなどで5点を挙げ、連敗を3で止めた。
Dの呪縛(じゅばく)から解放され、内海が心の底から笑った。07年9月25日以来の中日戦の白星。求め続けた勝ち星を今季初完封でもぎ取った。「まさか中日を相手に完封できるとは。何とか挽回(ばんかい)しようという気持ちだった」。6連敗中だった天敵に、9回2安打9奪三振で借りを返した。
大胆かつ繊細に。立てた戦略通りの投球だった。和田、ブランコら1発のある右打者にも臆(おく)せず、新球カットボールを懐へ。森野、野本ら左打者にはスライダー、チェンジアップを丁寧に低めへ集めた。3回までで7奪三振。ハイペースで三振の山を築き、面食らわせた。
09年を振り返る度にクライマックスシリーズでの屈辱が頭をよぎった。中日との相性を考慮され、登板機会ゼロ。日本一に輝き、バラ色のオフを迎えたはずだったが、心底喜べなかった。「中日に勝ってこそなのに、それができなかった。もう名古屋では投げられへんかなぁ。また名古屋城見たいのに」。冗談と本音が入り交じった言葉を漏らしたこともあった。
「やられっぱなしではこの世界では生きていけない」。打線攻略の糸口を探るため、中日戦のDVDを繰り返し見返した。痛打を浴びたシーンを目と感性で分析。導き出した答えは至ってシンプルだった。「癖は関係ない。単に自分のレベルが足りないだけ。球のキレ、精度を上げれば勝てる」。がむしゃらに体を鍛えたオフの成果を、マウンドで体現した。
リーグ戦再開の大事な一戦を、交流戦では勝てなかった内海に託した原監督は「新たなスタートですから、チームを代表する投手がスタートを切るということ。迷い?
それはなかったですね」と即答した。先発陣では6月初勝利で自身も約1カ月ぶりの白星。「僕が止める気持ちだった」。真のエース襲名への最大の難関を、内海はその手で越えてみせた。【久保賢吾】
[2010年6月19日8時58分
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