<ロッテ1-4日本ハム>◇3日◇千葉マリン

 日本ハムのブライアン・ウルフ投手(29)が、来日初先発勝利をマークした。190センチの長身を生かした角度のある直球を武器に、5回2/3を4安打1失点。1年目の今季はリリーフとして37試合に登板してきたが、シーズン途中から敗戦処理に回されていた。チームは救世主の出現で3連勝。2位タイで並ぶソフトバンク、ロッテに3・5ゲーム差と迫り、クライマックスシリーズ逆転進出が視界に入ってきた。

 1年間の最終局面で、やっと凶暴な名前通りのド迫力だ。190センチ、104キロの巨漢ウルフが、身上のパワー投球を発揮した。6回に1点を奪われて途中降板したが、5回2/3を1失点。来日初先発のチャンスを、最速151キロの剛球連発でモノにした。今季2勝目は、先発初勝利。「シーズンの最後の大事な時期にいい仕事ができて良かった」と、野性味十分に喜んだ。

 成り上がった。今季は中継ぎの新助っ人として入団。武田久の不調で一時は守護神を任されたが、結果を残せず、陥落。強力なライバル右腕たちを負かせず、敗戦処理の役回りに甘んじていた時、秘めていたのが先発転向の希望だった。先発陣が手薄というチーム事情から、梨田監督らに打診され快諾。「ワクワク。興奮している」と鼻息が荒くなる仕事場をつかんだ。

 うっぷんが爆発した。先発で出直すため、8月に出場選手登録を抹消。2軍戦で3試合の経験を積み、重要な3連戦の初戦を託された。先発はマイナーで98試合経験があるが、メジャーでは1度もなし。速球で2死球を与えても度胸満点、何食わぬ顔で75球を投げ切った。梨田監督は「よう放った。球が生きていた」と絶賛。即座に暫定だった先発陣入りを確定させた。

 熱い思いが、力投のスパイスだった。この日、先輩助っ人のカーライルが入れ替わりで2軍へ降格。再調整中には家族と一緒に住む自宅へ居候して数日間、寝食をともにした。カーライルが1軍へ昇格時には、気遣って近隣のコンビニの場所、湯沸かし器の使い方などをレクチャーしてくれた。志半ばで戦いの場から去った恩人の無念さを背負い、白星をつかみ取った。「これまで通り攻撃的な投球をしていくよ」。ウルフの野心が、日本ハムの反攻の灯をつけた。【高山通史】

 [2010年9月4日10時49分

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