<ソフトバンク9-3ロッテ>◇23日◇福岡ヤフードーム

 奇跡の逆転優勝へ、ソフトバンクにマジック2が点灯した。2点を先行された直後の初回、打者12人で8点を奪い、ひっくり返すと、先発和田毅投手(29)は7回3失点と力投。デーゲームのロッテ戦を制し、ナイターで西武が楽天に敗れたため、1日以来の首位に立った。西武のマジックが4と減ってから4連勝で、パ・リーグで21年ぶりにマジックを移動させた。大混戦が続いたパ・リーグは、25日にソフトバンクが勝ち、西武が負けると、ソフトバンクの7年ぶり優勝が決まる。

 ソフトバンクに奇跡のゴールが見えてきた。2点を追う初回、秋山野球のエッセンスが詰まった猛攻が決まった。無死一、二塁。打席には24本塁打、81打点のオーティズ。「打て」のサインが出ていたが「チームの最善の結果を考えた」。昨年途中の移籍加入からは初めて、日米通算では通算4個目となる犠打で、1死二、三塁と好機を広げた。

 助っ人の思いは後続の打者に伝わった。4番小久保が四球を選んで満塁とし、5番多村が遊撃への適時内野安打。6番ペタジーニの押し出し四球で同点とすると、7番松田が左翼越え2点適時二塁打で勝ち越し。そのまま計12人で8点を奪う猛攻で試合を決めた。「それぞれできることをやったのがビッグイニングにつながった」と胸を張る助っ人のバントに、秋山監督は「サインじゃない。進めようと思ったんだろ」。掲げる、つなぎの野球を象徴する犠打に表情は緩んだ。

 先発和田はアクシデントにも負けなかった。6回1死からサブローへ3球目を投げた直後、左太もも裏に異変を感じ、思わず左手で押さえた。次の1球を投じたが、けいれんが止まらない。ベンチ裏で数分間の治療後、マウンドへと戻った。「ちょっとつった感じ。大事をとるほどでもないし、流れを切りたくなかった」。すでに勝利投手の権利は得ていたが、降板は頭になかった。7回3失点でリーグトップに並ぶ17勝目。中2日となる最終戦の26日楽天戦でのブルペン待機も辞さない覚悟を示した。

 本拠地最終戦に実数発表以降最多となる3万6714人が来場した。真っ赤に染まったスタンドに向けて秋山監督は「今やるべきことは、残り試合を全力で勝ち、福岡に帰ってくることです」と言った。その約5時間後に西武が敗れ、大混戦を制する大逆転優勝へ「逆王手」をかけた。【松井周治】

 [2010年9月24日9時29分

 紙面から]ソーシャルブックマーク