5年連続のクライマックスシリーズ(CS)出場を目指す日本ハムが、24日の楽天戦(Kスタ宮城)で「超スクランブル態勢」を敷く。先発は8月12日ロッテ戦以来の1軍登板となる42歳のベテラン木田優夫投手だが、梨田昌孝監督(57)は、敵地・仙台へと移動した23日、早い回から救援陣を総動員し、勝利へと結びつける考えを明かした。同率3位でロッテと並び、残り4試合。Aクラスを死守するために、文字通りの全員野球で白星をつかみとる。

 試合開始と同時に、ブルペンでは中継ぎ陣がスタンバイする。1つも落とせない残り4試合。梨田監督は「明日は(投手陣)みんなで。(先発の)木田は1回りか、1回り半でね…」と、序盤で投手をスイッチする、超スクランブル態勢で臨む覚悟を固めた。

 全員の力を結集させる。指揮官が「前半は助けてもらった」と話すように、先発&中継ぎで5勝を挙げている木田だが、今季の最長イニングは6回。さらに1カ月以上1軍での登板が空いているため、本調子じゃないと見れば、すぐに2枚目、3枚目のカードを切るつもりでいる。厚沢投手コーチも「全員でやりますよ」。翌25日のソフトバンク戦(札幌ドーム)がダルビッシュの登板ということもあり、ベンチ入り投手を使い切ることも辞さない。

 救援陣が好調であるからこそ成り立つ作戦でもある。ダルビッシュが完封勝利した18日のオリックス戦以降、4試合で延べ17人のリリーフ投手がマウンドに上がっているが、失点したのは21日オリックス戦の武田久だけ。その間の救援防御率は0・93と信頼感抜群だ。中継ぎ登板のみで9勝している榊原は「ここまできたら1球1球を大切にして、全力で投げていくだけです」と気持ちを高めた。

 札幌から仙台への移動日となったこの日、ライバル・ロッテはソフトバンクに敗れ、再び同率3位で並んだ。梨田監督は「ウチは1つ1つやっていくしかない」。目の前の一戦に、全精力を注ぐ。【本間翼】

 [2010年9月24日11時23分

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