プロ野球ドラフト会議が28日、都内のホテルで開催された。
中大・沢村拓一投手(4年=佐野日大)が、意中の球団とされていた巨人にドラフト1位で単独指名を受けた。メジャーも注目した最速157キロ右腕には重複指名も予想されたが、他球団が直前に回避した。巨人の沢村といえば伝説の速球投手、沢村栄治以来67年ぶり。大粒の涙を流した会見では背番号「18」を希望。大学屈指の即戦力右腕が、V奪回を狙うチームの先発陣に加わる。
12球団の1位指名が終了した瞬間、沢村の目から大粒の涙がこぼれた。指名したのは巨人のみの1球団。何度も何度も手で涙をぬぐったが、あふれる感情を抑えることができなかった。「心からうれしいです。名前を呼ばれた時から4年間のことを回想して…。ものすごく込み上げてくるものがあった」。胸には喜びと安堵(あんど)感が入り交じっていた。
あこがれの先輩とプレーすることを夢見てきた。チームには主将の阿部、亀井ら中大の先輩が主力選手として活躍する。「自分も同じ土俵に立って、同じチームでプレーしたいと思っていた」と胸に秘めてきた思いを明かした。阿部とはバッテリーを組むことになるが「阿部さんのキャッチャーミットをめがけて、自分のボールを投げ込みたい」と力強く言った。
67年ぶりに「沢村」が巨人に加わる。原監督は「名前が往年の名投手(沢村栄治)と同じというところにも縁を感じる」と運命を直感した。沢村自身も、強い思いでプロの門をたたく。希望する背番号を聞かれると「『18』です。大学でもつけていましたし、『18』という番号が好き。いただければいいなと思います」と桑田真澄氏以来空き番となっているエースナンバーへの思いをのぞかせた。
巨人から指名を受けた実感とともに、わいてきたのは即戦力の自覚だった。「これからが本当の勝負になる。入ってすぐに活躍できるように精進したい」と決意を語った。原監督は「彼の持っている素晴らしい力を、我々チームのスタッフが全面にバックアップして、ジャイアンツを背負って立つ投手に育てたい」と期待を寄せた。
高校時代はエースではなかったが、元巨人の高橋善正監督(66)の指導もあり、素質が大きく開花した。「出会わなかったら、ここまでこれなかった。本当にありがとうございます、という言葉しか出てこない」と頭を下げた。会見中、何度も繰り返した周囲への感謝の気持ちを胸に、沢村が伝統の巨人のユニホームに袖を通す。【久保賢吾】
[2010年10月29日8時31分
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