タカの「佑ちゃん世代」も忘れるな!

 ソフトバンク山田大樹投手(22)が、来季の開幕ローテ入りを最低ノルマに掲げた。育成枠から支配下登録された今季は先発で4勝。11月3日からオーストラリアでのウインターリーグで武者修行する雑草左腕は、日本ハム1位指名の早大・斎籐佑樹投手(22=早実)との来季対決を心待ちにした。また高校時代から斎籐と親交のある福田秀平内野手(21)も、同リーグに参加予定。両打ちだが、同リーグでは左打ちに専念し来季のレギュラー取りを狙うことを誓った。

 佑ちゃん世代の左腕が、秋山監督からクイックやけん制の熱血指導を受けた。西戸崎室内練習場の屋外。佑ちゃんを抽選で逃した指揮官がドラフトから帰福し、初めて直接指導したのは、22歳の山田だった。「(監督に)キャンプ行かないから、今日やるぞと言われた」。11月3日からオーストラリアでのウインターリーグに参加するため、秋季キャンプには不参加。旅立つ前に、細かいプレーの指導を1時間近く受けた。

 首脳陣の期待に応えてみせる。育成枠から支配下登録された今季は、先発で4勝をマーク。「来年は、開幕ローテ入りは最低ノルマだと思ってやる」。今季のマウンドでも、威力十分の150キロ前後の直球で打者を封じ込めた。だが、バント処理やクイックなど細かいプレーは決して得意とは言えず自分を苦しめたこともあった。「先発をやっていく上では大切な部分なんで」と、この日の熱血指導の意味をかみしめ、ウインターリーグでも重点的に練習するつもりだ。

 同世代に負けるつもりはない。通ってきた険しい道が、自信の裏づけだ。日本ハムに1位指名された斎籐が、夏の甲子園を沸かせた06年のドラフトで育成枠入団。左ひじの手術などもあり、結果を残せず昨季オフには3年の契約が切れた。だが自由契約選手として参加した昨秋のキャンプで王会長に素質を見いだされ、3月には支配下契約。6月24日の日本ハム戦では、育成出身投手としてはパ・リーグ初となる白星を挙げた。斎籐、大石、沢村ら今ドラフトを騒がせた投手らと面識はない。「知ってる(仲のいい)人おらんかった」と笑ったが、来季のマウンドでは誰よりも目立ってみせるつもりだ。

 直接指導を行った秋山監督は「レベルアップしてもらわないといけないから」と、山田にローテの一角として活躍してもらうことを期待した。誰よりも苦労した佑ちゃん世代の左腕が、来季パ・リーグをさらに盛り上げるはずだ。

 [2010年10月31日11時43分

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