統一球駆使して、50セーブ見えた!

 中日岩瀬仁紀投手(36)が13日、恒例の打撃投手で驚きの「統一球」効果を発揮した。直球に加え、スライダー、シュートを多投。曲がりの大きさに打席の井端が「50セーブはいくでしょう」と目を丸くした。前人未到の300セーブを目指す左腕が、生命線のキレを取り戻した。

 3連休最後の日曜日に守護神がファン1500人の視線を独り占めした。北谷球場グラウンドに打撃ケージはなし。捕手小田のサインに合わせて岩瀬がボールを投げ込む。まさにガチンコ勝負だった。好打者井端に52球を投げ安打性の当たりはわずか4本。圧巻の投球に左腕も充実感たっぷりだ。

 岩瀬

 貸し切り状態だったんで、緊張感はあったけど楽しく投げられた。イバにはボール球ばっかりで申し訳なかったけど、本能的に打たしちゃいけないという気持ちで投げていた。

 真剣勝負で打席に立った井端を驚かせたのは、曲がりの大きさだった。内角スライダーは手元で鋭く食い込み、外角シュートも大きく横滑りした。今年から導入される統一球が守護神のボールに驚きの変化を与えたようだ。まだ2月中旬だが、井端は思わず太鼓判を押してしまった。

 井端

 落ちたり、真横に動いたり、斜めに落ちたり。これだと打者も(球種を)決めても打ちにくいんじゃないかな。毎年、この時期にやらしてもらってるけど、過去10年をさかのぼっても2番目にいいくらい。50セーブくらいはいくでしょう。

 1番目ではない?

 微妙な言い回しが逆に信ぴょう性を増した。あと10セーブで日本記録の286セーブに並ぶ。さらには井端が言う「50セーブ」を達成すれば、前人未到の300セーブもクリアする。一般的に滑りやすいとされる統一球だが、守護神の感覚は違った。

 岩瀬

 縫い目が高いぶん、はまった時の曲がりは大きい。ある意味、助かるという面はある。逆にすっぽ抜けやすいというところもあるけど、それがボール球になるのならそれでいい。

 予定通りにペースを上げ、統一球の“追い風”を受けてキレも復活。森ヘッドコーチは正真正銘「今年の岩瀬はここ数年で一番いい」と評価した。記録ラッシュのシーズンに、竜の守護神が最高の状態で臨む。【桝井聡】

 [2011年2月14日10時36分

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