日本ハムのドラフト1位ルーキー斎藤佑樹投手(22=早大)が19日、ダウンした。ブルペンに入ったがキャッチボール程度の力で19球しか投げられず、紅白戦の途中で腹痛を訴えて名護市内の病院で診察を受けた。点滴も受け、過労とストレスによる腹痛と診断された。今日20日に予定されていた練習試合、ヤクルト戦(名護)の登板は回避する。症状は軽く、すぐに復帰できそうだが、開幕へ向けたスケジュールに狂いが生じた。

 斎藤はなかなか戻って来なかった。紅白戦の行われていた国頭を、午後1時過ぎに出発。キャンプ宿舎の名護までは車で約40分のはずが、戻ってきたのは、午後4時を過ぎたころだった。失踪騒動まで持ち上がる中、立ち寄っていた先は名護市内の病院だった。腹痛を訴えて、診察を受けていた。「ちょっと…、腹痛です。昨日(18日)の夜からです。今朝も痛かった。(病名は)特にないです。(医者には)『疲れだね』と言われました」。点滴を受け、薬を処方され、自室で静養に努めた。

 この日は2軍キャンプ地の国頭でチーム全員での写真撮影も予定されており、腹痛を感じていた斎藤も移動した。ブルペンでの投球練習を始めたが、症状は治まらなかった。山なりのボールで19球を投げたところで終了。予定されていたランニングもしなかった。「無理しないよう、できる範囲でやりました」と話したが、視察していた楽天山口スコアラーが「どっか故障してるんちゃうか」と驚いたほど、異変は明らかだった。

 幸い症状は軽く、福島チーフトレーナーも「そんなにひどくはないです。疲労とストレスだと思います」と説明した。梨田監督は「心配したけど大丈夫そうだね。(悪いのが)ひじ、肩じゃなくて良かった」とひと安心。ただし、国内球団と初対戦するはずだった今日20日のヤクルト戦の先発は緊急回避が決まった。

 斎藤は「行けたら行きます」と話していたが、首脳陣からストップがかかった。ヤクルトが用意していた早大OBトリオとの対決も幻に…。芝草投手コーチは「(今後の登板は)先発が埋まっているので、中継ぎで投げさせるかどうかも明日、あさっての様子を見てから決める」と話した。

 斎藤は1月11日の入寮から、たくさんのファン、報道陣に見守られながらマイペースでの調整を続けてきた。1カ月以上も多くの視線にさらされ、重圧を受けながらの練習。疲労やストレスがたまるのも当然だった。それでも、2軍で調整中の乾、榎下ら同期入団の選手と合同自主トレ以来の再会を果たしたことを聞かれると「リフレッシュできました」と、いつもの笑顔に戻った。小休止し、3月25日の開幕へ向けて調整を再開する。【本間翼】

 [2011年2月20日9時3分

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