ソフトバンクのドラフト1位、山下斐紹(あやつぐ)捕手(18=習志野)が22日、王貞治球団会長(70)を感嘆させた。王球団会長が初めて見守る中、セガサミーとの練習試合の6回、代打として出場。8回裏2死一塁の守りで、投手のモーションを盗む好スタートで二盗を狙った一塁走者を、糸を引くような球でアウトにした。捕球から二塁送球が1・8秒台というプロでもトップクラスの強肩を見せつけた。

 王球団会長はダイエー、ソフトバンク監督時の愛弟子城島(現阪神)と比較し、絶賛した。強肩で鳴らす城島の1年目春季キャンプ時より、守備センスの点では上と口にした。

 王会長

 スローイングがいい。守備だけの評価で言えば(城島よりも)山下だよ。

 山下にとってはリベンジの盗塁刺でもあった。7回裏1死一塁では一塁走者に代走が送られた直後、けん制を挟むことなく、初球に二盗を許した。8回のシーンでは投手有馬に1度、一塁けん制を入れていた。

 山下

 あの(8回の)スローイングはよかったけれど、それよりも(7回の)代走のところ。あそこで1球でもけん制を入れておけば。捕手としてはあそこで頭を使わないといけない。

 成功した場面を喜ぶよりも、ミスを猛省するあたりが大器ならでは。送球力アップの工夫もある。手にするミットは城島モデル。高校時代よりも「浅くて、縦とじ」と言う。理由は「(送球するため右手に)すぐ握れるから」。細心さも備えている。3イニングをゼロに抑え、無失点リレーに貢献した。

 打っては6回表に代打で左前打を放った。スタートのタイミングは遅れたが、二盗も決めた。2年間の2軍育成プランがある山下だが、非凡なセンスを見せ続ければ、早期1軍昇格の扉をこじ開ける可能性もある。

 [2011年2月23日11時25分

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