楽天星野仙一監督(64)が26日、戦力外通告を受けた選手の獲得ルールに一石を投じた。選手会とNPBの申し合わせにより、第1回12球団合同トライアウトよりも前に、各球団は、戦力外通告を受けた選手と直接交渉はできない。もともと球団によって通告時期が異なっていたため、背景には、選手の機会均等を確保したい選手会の意向がある。これに星野監督が反応。「かえって選手自身の首を絞めることになるのでは」と、選手の再契約の機会を失わせる恐れを指摘した。

 星野監督もルールを破るつもりは毛頭ない。ただ「そもそもプロは格差の世界」とも言った。「均等」が重視され過ぎることには違和感がある。他球団を戦力外となった選手を補強したくても、トライアウトまで待たなければならない。その一方で、外国人選手に関してはトライアウト前でも自由にテストが可能。他球団とのトレードも進むため、トライアウトの時点で既に選手枠がある程度まで固まることになる。結果、トライアウトまで待たなければならないという現行ルールが、選手の不利益になる可能性も否定できない。

 実際、楽天は阪神の来季構想から外れた下柳剛投手(43)の獲得を検討していた。岡山・倉敷秋季キャンプに呼び、数日をかけてチェックした上で合否を出したい考えがあった。しかし、現行ルールに抵触するとし断念した。同投手はトライアウト参加を選んだものの、現在のテスト方式は打者数人に投げるだけ。じっくりチェックすることは不可能で、最終的に獲得を見送った経緯があった。【古川真弥】