日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(70)は21日、都内の事務所で今季から導入した低反発の統一球について来季も継続使用することを明言した。「導入した時と考えは変わりません。これから検証していきますが、改良点は監督、コーチ、選手の問題」と、ボールの規格ではなく各打者の技術向上を要望した。

 今季は本塁打数がセ、パ合わせて昨年から666本も減少した。一方の防御率は、1点台の投手が昨年の1人から6人に増え、投高打低の傾向が顕著に表れた。巨人の渡辺球団会長は9月に「空中戦の方が面白い」と、本塁打数の減少に伴い観客数が減っていると指摘していた。野球の質や見方まで変わっているという意見に対し、加藤コミッショナーは「ホームランは野球の華ということを否定しません。ただ大味になりうる。野球の魅力は人それぞれ」と切り返した。

 さらにメジャー球に近づけた統一球に対応できてこそ「一流の一流である」との私見を述べた。「国際社会で通用する和製大砲の育成が必要。中田、筒香、栗原、松田らはよく打っていた」と期待。統一球に対応する実力をつけることが日本球界のレベルアップにもつながるとの見方を示した。