<西武1-4ソフトバンク>◇11日◇西武ドーム

 ソフトバンク松田宣浩内野手(29)が今季8号3ランで試合を決めた。3回2死一、二塁。西武の変則左腕、小石の真ん中高め直球をたたき、バックスクリーンへ低弾道で運んだ。「低いライナーというのはうれしい。よく腕が伸びました。甘い球は1球しかないと思った」。統一球に適応した、体の前でとらえる自称「マエ・テ・ギュン打法」で先制パンチを決めた。

 秋山監督が「マッチがいいところで打ったね。本塁打は流れが変わる」と手放しで喜んだように、白星接近のチャイムだった。松田弾が出れば、昨年は19勝2敗3分け、今年も7勝1敗と高勝率を誇る。「ベンチでもマッチが元気いいな」と指揮官が認めるムードメーカーが流れをつくった。

 これで松田は11試合連続安打。3番打者として「打点を挙げるのが仕事。毎日打点を挙げるつもり」の信念で打席に立ち続ける。塁打数157は両リーグ最多で、その中で目を見張るのが26本を数える二塁打。「いいところに飛んでいるからですかね」。本人は控えめながら計算上は年間47本ペース。48年笠原(南海)の球団記録40本を64年ぶりに塗り替える勢いだ。打率、安打、打点でリーグ2位。打線をけん引している。

 今回の9連戦を1勝1敗とし、借金は4。松田は「明日も勝って福岡に帰ります」とファンに約束。13日からは「おいさっ」のかけ声が飛ぶ博多祇園山笠で盛り上がる本拠地でのゲーム。秋山監督も「よし、トレーニングだ」と声をあげ、西武ドーム名物の108段ある階段を一気に登った。【押谷謙爾】