今季シーズン途中から守護神を務めた西武涌井秀章投手(26)が、来季は先発に復帰することが27日、明らかになった。渡辺監督が「先発に戻す、ということは話したよ。本人もそのつもりだったと思う」と明言。CSファーストステージ敗退直後の15日に、指揮官から涌井に通達された。

 先発再転向でエースが決意したのは「速球派」としての復帰だった。「変化球に頼ったスタイルじゃなくて、ストレートで押す。かわすピッチングはやめようと思います」と宣言。短いイニングで勝負する守護神の経験から「ストレートの大事さ、腕を振ることの大事さを思い出した」と実感した。今季150キロを超えた直球を投球の軸に据える。

 先発完投型のスタイルにも磨きをかける。毎試合、準備する救援陣の苦労や疲労を経験。「後ろの大変さも分かったので、より一層、最後まで投げようと。肉体的にしんどくなってくる後半戦、先発が頑張ればめちゃくちゃ強くなる」と力を込めた。守護神を経験した収穫を、渡辺監督は「(周囲の)涌井に対する信頼感」と挙げた。心身ともに進化した姿をマウンドで体現する。【久保賢吾】