侍斬りで1軍へ猛アピールだ。ソフトバンクの4年目育成左腕・有馬翔投手(22)が11日、宮崎秋季キャンプのシート打撃に登板。秋山幸二監督(50)も見守る中、打者11人に46球で1安打。日本代表強化試合に選出された本多、松田を5打数無安打に抑えた。

 得意のスクリューで松田の2打席目は空振りを奪い、3打席目は二飛に仕留めた。「(代表2人を)きっちり抑えようと思っていた。いいところを見せられた」と笑顔を見せた。

 シュートを投げる感覚で薬指と小指で外側に押し出す。右打者には、1度内側へ入るように見えてから外へ逃げる。今季から覚えた新球だ。加藤2軍投手コーチは「あのボールは大隣のチェンジアップに匹敵する」と絶賛する。

 大隣と同じ道を歩む。昨年ドミニカウインターリーグに参加し今季12勝を挙げた。有馬も21日から約1カ月、台湾のウインターリーグに参加することが内定している。「試合で投げ続けて1月の自主トレにつなげたい」と、再び支配下登録を目指し鼻息も荒い。08年ドラフト4位で入団も、1年目の5月に左肘を手術。今季から育成となり背番号も「33」から「140」へ。終盤に2軍で調子を上げ、この秋は投手では育成ただ1人、主力中心のA組に入っている。岡島、神内が抜けた左の中継ぎを目指す。【石橋隆雄】

 ◆有馬翔(ありま・しょう)1990年(平2)6月5日、宮崎市生まれ。日南学園では中崎雄太(西武)と左右のエースとして活躍した。08年ドラフト4位でソフトバンクに入団。1年目の5月に左肘の手術を受ける。今季から育成契約となる。今季は2軍21試合に登板し1勝1敗。防御率3・16。支配下から育成となり、来季も育成契約となるために、1度自由契約となり10日に再契約した。174センチ、74キロ。左投げ左打ち。