友よ、世界で会おう-。日本代表候補の巨人山口鉄也投手(29)が26日、米国ルーキーリーグ時代の同僚でベネズエラ代表のミゲル・モンテロ捕手(29=ダイヤモンドバックス)とWBCでの再会を誓った。「ミゲル、すごい選手になったんですね。絶対に対戦したい」と思いを口にした。

 モンテロとは02、03年にダイヤモンドバックス傘下のミズーラ・オスプレイでバッテリーを結成した。時は流れ、山口は育成出身から日本を代表する救援投手に成長。モンテロも強肩強打を誇るメジャー屈指の捕手となり、昨年は5年6000万ドル(約54億円)の契約を結んだ。その2人が勝ち進めば決勝ラウンドで相まみえる可能性がある。

 モンテロとは「性格が良くて、気さくなやつだった」と心を通わせた。同じ83年生まれの2人は成功を夢見ていた。その一方で山口には自信がなかった。「当時は僕自身が2、3年で消える選手だと思っていた。将来、お互いにWBCで代表選手になるとは想像できなかった」。だが、山口も自らの力で夢をつかんだ。

 先日、モンテロと言葉を交わした。日本人記者の取材を受けたモンテロが山口の活躍を知って「素晴らしい!」と喜んだ。そして携帯番号を間接的に伝えられた山口が国際電話を掛けた。「懐かしかった。『チームメートだったカルロス・ゴンザレス(ロッキーズ、10年ナ・リーグ首位打者)はフェラーリに乗っているぞ』という話も聞きました」と思い出話に浸った。

 約10年ぶりの会話をこう締めくくった。「また会える日を楽しみにしている。WBCで会おう」。成長した姿が、再会のあいさつとなる。【広重竜太郎】

 ◆ミゲル・モンテロ

 1983年7月9日、ベネズエラ・カラカス生まれ。01年にダイヤモンドバックスに入団し、06年9月にメジャー初昇格。10年6月25日、同僚エドウィン・ジャクソン投手がノーヒットノーランを達成したときマスクをかぶり、11年には初めて球宴に選出された。強肩で知られ11年にはリーグ1位の盗塁阻止率40%、昨季も42%。愛称は「ザ・マイクロウエーブ(電子レンジ)」。メジャー7年で通算打率2割7分5厘、73本塁打、334打点。180センチ、98キロ。右投げ左打ち。