7季ぶりに古巣復帰したソフトバンク寺原隼人投手(29)はミミズ殺しになっていた?

 11日、シート打撃で打者13人と対戦し、7個の内野ゴロを積み上げた。「もうプロ12年目ですから。やらないといけないことは分かっています。低めを意識しました」。米国ならグラウンドボール・ピッチャーやワーム・キラー(ミミズ殺し)とも言われるゴロ量産スタイル。ダイエー時代の速球派とひと味違う印象を与えた。

 本多を沈む139キロで空振り三振にし、内川は低めの直球で三ゴロ、松田も遊ゴロ(失策)。ルーキー東浜と同様に侍ジャパン3人衆を料理した。「フォームのバランスをとって投げられた。直球はいいところに行きましたね。右打者にシュートを使わなかったので、投げだすと外の直球も生きてくると思います」。全27球でフライアウトはゼロ。全体的に低めを意識した投球を反映した結果と言えそうだ。

 1死一塁の設定で6人目の山崎からはセットポジションに変更。本番のイメージに近づけた。「試合になるとセットの方が多い。セットは球の力が落ちるので今後ブルペンでは重点的にセットで投げたい」と今後の調整手順も描けていた。

 ゴロ中心とは言え、松中への初球はこの日の最速145キロをマーク。「まあこんなもんでしょう」。寺原は涼しい顔でも、高山投手コーチは「仕上がりがいいんだよ。オーバーペースにならんようにね」とあえて手綱を引き、紅白戦も14日ではなく16日登板に設定。開幕ローテーション入りへのPRもスピード感たっぷりだ。【押谷謙爾】