<オープン戦:中日0-6巨人>◇11日◇浜松

 もはや怒りすら通り越した。この日も繰り返された若手先発陣の背信。中日高木守道監督(71)はあきれていた。「あら、アカンわ」。2回5安打4失点KOの2年目西川健太郎投手(19)をバッサリ。オープン戦3度目の先発も結果を出せず、ついに開幕ローテをあきらめて2軍行きを命じた。

 WBCで主力が抜けた若手主体の巨人に簡単につかまった。1回は先頭矢野への死球と暴投で乱れ、村田の適時打で先制点を献上。2回は3本の二塁打で3失点。キレもスピードもなく、これ以上投げさせてもムダと判断したのか。当初4、5回だった予定を剥奪し、厳罰の降板を命じた。

 吉見、山本昌、中田賢、山内に続く第5、第6のローテが見えない。候補の岩田、伊藤、大野も西川同様の背信続きで、監督のショックは相当だ。特に伊藤と大野が連続KOされた9日&10日は激怒モードだったが、この日はとうとうあきれモード。「あの2人はファイナルまでに調整してくれればええわ」。昨年2人で連勝したCSファイナルステージ巨人戦を引き合いに、“シーズンは休養”の笑えないジョークも出た。

 王者巨人との初対決は打線も振るわず、宮国らの前に完封負け。練習試合を含めた対セ・リーグは6戦全敗となった。だが、指揮官は強気だ。「うちが元気がないんやなくて向こうがいいんでしょ。巨人が強いのは間違いない。うちは打線は大丈夫。でもピッチャーがアカン」。やはり、不安の矛先は悩ましい先発陣だ。幸か不幸か、明日13日は初のDeNA戦。移籍したブランコらとの初対決で、今度こそ目覚めの快投を期待したい。【松井清員】