凱旋(がいせん)だがや~。ソフトバンク千賀滉大投手(20)が地元ナゴヤドームに戻ってきた。今日8日からの中日2連戦には、出身の蒲郡から両親や友人ら約30人が駆けつける。「友達から出てきたらヤジると言われました。ここまで来られたのはよかったです」とうれしそうに話した。

 開幕1軍時の役割は敗戦処理。不安ばかりの中、1軍生き残りに立てた目標が、この名古屋での2連戦に来ることだった。25試合で1勝0敗10ホールドの好成績。「8回の男」に急成長し、目標を果たした。

 前日6日DeNA戦では、自己最速を更新する156キロをマークした。連続無失点も24試合とした。あと2試合で昨年岡島(現アスレチックス)の26試合に届く。「そうですね。この後もずっとゼロで行きたいですね」と、無失点継続を誓った。

 初のナゴヤドームは記録更新への試練ともなりそうだ。7日、練習でマウンドを確認し「高いし硬かった。角度はつくけど制球が…。前の広島の時もストライクが入らなかったので」と警戒。同じようにマウンドが高く感じるといわれるマツダスタジアムで登板した15日広島戦は、2四球と乱れた。その日のうちに先輩リリーフ陣に対処法を学んでいる。

 小学生のころ、中日ファンの父直伸さん(52)に連れられ何度も観戦に訪れた。敵だった阪神金本の姿に魅せられファンになった。今度は千賀が156キロの剛球で、中日ファンを魅了する番だ。【石橋隆雄】