<ロッテ6-3ソフトバンク>◇16日◇QVCマリン

 白星でなく「夏休みの宿題」を手にした。ソフトバンク寺原隼人投手(29)が5回6失点と試合を崩し、球宴期間中の補習を命じられた。前回9日西武戦で1回に4失点したのに続き、3回までに5失点と序盤の失点が痛い。「投げていて、いい感じで球が行っているにもかかわらず、芯で当てられるのは原因がある。打者のことを勉強不足です」。寺原はひたすら平身低頭だった。

 被安打は毎回の10本で、うち7本が2ストライクと追い込んでから。「追い込んでからストライクゾーンで勝負して、ヒットになっている。ボール球を使えていたら変わっていた。それ以前に、追い込む前に打ち取れるものもありました」。試合中、山崎と話し合い、寺原は自分の問題を認識はしていた。そして、打線が反発するにはあまりに重いビハインドだった。

 ブルペンで直球はうなりを上げ、切れ味は抜群だった。本番との間に生まれた残念なギャップ。高山投手コーチの分析はこうだ。「課題は分かっている。インコースを突けていないのと緩急のなさ。内と緩急をうまく使わないと球自体が良くても打者は崩れない。一番はコントロールを磨くことだが、急には無理。なら何で補うか。しっかり考えないと」。宝の持ち腐れになった武器を生かすため、球宴休み中に打者研究、配球面の復習を行うことになった。

 連勝がストップし、再び首位楽天とは7ゲーム差。5位転落。おまけに2年連続で前半戦の貯金ターンにも失敗した。「球宴に入るので、映像を見たり、捕手と話し合います」。“赤点”をつけられた寺原は背中のスポーツバッグに課題を詰め込み、帰りのバスに乗り込んだ。【押谷謙爾】