<巨人2-11広島>◇25日◇東京ドーム

 順調に後半戦を滑り出した巨人が、まさかの大敗を喫した。先発した宮国椋丞投手(21)が1回2/3を8失点と大炎上し、試合にならなかった。広島戦の東京ドームでの連勝も14でストップ。原辰徳監督(55)が観戦したファンに対して謝罪。試合後は、宮国を含む5人の選手に2軍行きを通達するなど“血の入れ替え”を断行した。

 試合開始から30分もたなかった。めった打ちを食らった宮国は、降板後、悔しさを右こぶしにためて、ベンチをたたいた。負傷交代を除けばプロ最短の1回2/3、最多の8失点でのKO。「これが今の自分の実力。しっかり受け止めて頑張りたい」と猛省した。序盤で勝敗が決まってしまう展開に、原監督も「プロとして非常に恥ずかしい試合をしてしまった。ファンに申し訳ない」と頭を下げた。

 2回、先頭のキラに二塁打を打たれ、セットポジションになると、極端にバランスが悪くなった。「課題だと思います」と振り返ったように、体は前傾し、腕は横振りに。いい時の宮国の姿は、かけらも見られなかった。走者へのけん制で擬投を繰り返す姿は、自信のなさを感じさせた。

 17日の阪神戦(甲子園)でも3回5失点とふがいなかった。球宴休み中は、コーチ陣が総出でフォームチェックをした。この日の登板に向けて、改善を試みたが、実を結ばなかった。原監督は「宮国は全力でプレーしているけれども、なかなか伸びてこないというかね。我々の指導というものが問題でしょうね」と、責任を負った。

 開幕投手を任せられ、投手陣の柱になることを期待された逸材。前夜、原監督は宮国のことを「ウチの若大将」と呼んだ。若いころ、自分につけられたニックネームで呼ぶほど期待していた。だが、期待とは裏腹な結果。「やっぱり実力至上主義という中でチームを編成しているわけだから、次のチャンスというものをあげることが、その言葉に対して励行しているとは思えない」。指揮官は独特の言い回しで、投手2人(宮国、田原誠)野手3人(脇谷、松本哲、河野)の2軍落ちを決めた。入れ替えで中継ぎ投手を7人から8人に増やし、荒療治でチームを立て直す。【竹内智信】