ソフトバンク嘉弥真新也投手(24)が先発転向することが22日、分かった。来季3年目を迎える中継ぎ左腕は適性十分と判断された。チームは今オフ、先発整備を目指し、中日からFA宣言した中田賢らの獲得を目指している。層を厚くするため、伸び盛りの嘉弥真に白羽の矢が立った。

 転向を告げられたのは前日21日。秋季キャンプ練習中だった。監督室に呼ばれた嘉弥真は、秋山監督の言葉に背筋が伸びた。

 「来年から先発でいくぞと言われました。去年とは違うから12月、1月もしっかり投げてこいと。せっかくのチャンス。ローテーションに入りたい。摂津さんとか経験者にもいろいろ聞いていきたい」

 今季は自己最多40試合に登板。うち39試合が中継ぎだった。9月19日楽天戦にプロ初先発。5回2失点で勝敗つかずも評価を高めた。加藤投手コーチは「遅いボールが使えるし、右打者も左打者も苦にしない」と転向に至った理由を説明した。「嘉弥真ボール」と名付けたナックルカーブに近い独特の変化球を操る、171センチの小柄な左腕。かねて先発を希望していた。

 「先発で投げるには体力とかコントロールとか、まだまだ足りない部分がいっぱい」。12月は福岡で可能な限り投球練習に励む。年明けはグアムに続き、出身地の沖縄・石垣島で自主トレ。実家に寝泊まりする。約130人いるとされる親戚に生活面でのサポートも受け、南国の太陽の下で先発準備を進める。【大池和幸】