目標は盗塁阻止率4割だ。日本ハムからソフトバンクにFA移籍した鶴岡慎也捕手(32)が12日、北海道・北広島市内の道都大で自主トレを行った。ネットスローを繰り返し、今季1割台と低迷した盗塁阻止率向上を誓った。ホークスは今季、12球団ワーストの127許盗塁。“復肩”を期す鶴岡が救世主に名乗りを上げ、投手陣を助けて正捕手奪取にも挑む。

 鶴岡が新天地で目指す数字を明確に掲げた。「盗塁阻止率が1割台じゃダメ。この年でそうなると肩が弱くなったんじゃないかと思われてしまう。4割を目指します」。キッパリ言い切った。

 昨年2割9分2厘もあった盗塁阻止率が今季は1割8分8厘。守備規定をクリアしたパ捕手7人のうち最低だった。肩や肘の故障ではなく「刺したい、刺したいという気持ちで投げ急ぎフォームがバラバラになってしまった」。しっかりと原因は分析済みだ。

 現在は素早く正確に送球できるフォームを再構築中。足の運び、下半身の力の入れ方、肘の使い方などを確認しながら、ネットに向かって1人投げ込みを行っている。「感覚的なものなんですけどね。練習スペースが限られているからこそできることなのかもしれません」と笑った。

 7日にソフトバンクの入団会見を行って以降、札幌市内の日本ハムの練習施設は使用していない。道都大室内練習場の端っこのスペースを自主練習している学生の邪魔にならないようにひっそりと借りている。鶴岡流のけじめ。すでにグラウンドで40~50メートル投げてはいるが、本格的に肩をつくるのは1月の徳之島自主トレから。あくまでフォーム固めが優先だ。

 阻止率アップのためには、投手との共同作業も重要となる。ソフトバンクは今季12球団で唯一の3桁台となる127盗塁を許している。「たくさん受けて、話をして向上していければいい」と、投手のクセ、クイックなども気がつけばアドバイスを行うつもりだ。

 今季阻止率2割9分7厘の細川、若く強肩の山下との正捕手争いを勝ち抜くためにも、オープン戦からスパッと盗塁を刺して信頼を勝ち取っていく。【石橋隆雄】