やっぱり中継ぎで勝負します!

 今季先発に転向予定だったソフトバンク嘉弥真新也投手(24)が14日、中継ぎ再転向を直訴した。この日、グアムでの自主トレを公開。師と仰ぐ森福の一言で迷いが吹っ切れ、加藤投手コーチへ電話で自らの希望を伝えた。

 先発よりも中継ぎを、嘉弥真は自らの働き場所と定めた。「自信のある中継ぎで勝負したい」。グアムから電話で加藤投手コーチに希望を伝えた。

 昨秋キャンプ中に秋山監督から今季の先発転向を言い渡されていた。オフには中田、ウルフ、スタンリッジと大型補強。同じ左腕でも大隣、帆足、オセゲラ、山田と先発候補が並ぶ。迷っている嘉弥真の背中を押したのは、一緒に常夏の島で汗を流す森福の言葉だった。「もう1年中継ぎをやったら、お前なら極められる。オレや岡島さんと競争したらどうか」。セットアッパーの軸として働き続ける先輩左腕の助言が、心に響いた。

 先発も中継ぎも1軍枠を争う厳しさは変わらない。ただ、昨季40試合中39試合投げた中継ぎなら、経験を生かすことができる。そして、心にひっかかっているのが昨年10月4日の日本ハム戦(札幌ドーム)。3点リードの8回、無死満塁のピンチで登板。一気に4点を奪われ逆転負け。昨季最後の登板で自身プロ初の黒星を喫した。「あそこで抑えられなかったことが心残り」。Aクラスを争っていたチームにとって、大きな1敗となったことが悔しかった。

 チーム方針には従う。今はグアムで先発でも中継ぎでも1年間フルに戦える体を作っている。鼻の頭が焦げたように真っ黒に日焼けした顔で、連日アップダウンが激しい5キロのコースを走り込む。この時期としては初めて筋力トレも導入。キャッチボールでは、森福から毎日「踏み出す右足をかかとから着けろ」と指導され、球持ちのよいフォームを身につけている。

 今日15日でグアム自主トレを終え、18日からは故郷・石垣島で投球練習を開始する。先発か中継ぎか結論は秋山監督の判断待ちだが、伸び盛りの3年目24歳左腕は、いずれにせよ今季もチームに欠かせない存在だ。【グアム14日=石橋隆雄】