クリとオオセラ、52年ぶり快挙に挑戦!

 広島のドラフト2位九里亜蓮投手(22=亜大)が20日、廿日市市内の室内練習場ブルペンに初めて入り、50球を投じた。視察した山内泰幸投手コーチ(40)も絶賛。1位の大瀬良大地(22=九州共立大)や巨人から移籍の一岡竜司(23)とともに、先発ローテーション入りを期待した。新人がともに2桁勝利を挙げれば1962年東映の尾崎行雄、安藤元博以来、ドラフト制後は初となる。

 カープにも「OAコンビ」が誕生する。62年の東映で20勝を挙げた怪童・尾崎、13勝で続いた安藤のように、即戦力ルーキーが活躍する。そんな期待を抱かせるのが、大瀬良(O)と九里亜蓮(A)だ。

 「入団当初の(ヤンキース)黒田より上」と言われた18日の大瀬良に続いて、九里がベールを脱いだ。大瀬良、一岡と同時に大野室内練習場のブルペンで投球練習を開始。長田ブルペン捕手を立たせた状態で50球を投げ、カットボール、カーブ、チェンジアップ、ツーシームも交えた。

 カットボールは亜大2年を最後に封印し、昨秋の明治神宮大会はストレートとスライダーを軸にした投球で優勝。だが「もともと持ち球だったし、試してみようと思った。年々進化していかないと、コンスタントにいい投球は望めない」と高い意識をのぞかせた。

 目を細めたのが、視察の山内投手コーチだ。まず捕手の後ろに陣取り、背後に回っても投球フォームを確認。「体重を乗せてバッター方向に来る感じがする。前が大きくて、いい印象です。大学時代の映像よりフォームが安定している」と、力感あふれるフォームを絶賛した。「(大瀬良、一岡と)3人ともまずは先発で投げることを目指してほしい。バリエーションに富んだ投手陣ができあがる」と期待を寄せた。

 1軍の先発陣は前田、野村、バリントンまで確定し、残る3枠を久本、今井、福井らとドラフト1、2位コンビ、一岡らが争う。同一球団の新人2人が1年目から先発に入り、ともに2桁勝てば52年ぶり、ドラフト制後は初になる。

 九里は「そこ(1軍先発陣)に入らないと意味がない。カープに入れていただいた意味がないです」と責任感をかみしめた。1軍先発陣に割って入る、勝負のキャンプは目前だ。【堀まどか】