サタデー登板から開幕だ!

 阪神藤浪晋太郎投手(19)は期待の2年目に向けたオープン戦登板が決まった。今日25日の韓国・LG戦(宜野座)で対外試合初登板。3月1日ロッテとの練習試合(安芸)で初先発し、その後も毎週土曜日に登板する「サタデー晋ちゃん」でシーズンを迎えるスケジュールが判明した。順調なら開幕2戦目か、それとも?

 スケールアップした怪物右腕が虎投を引っ張る。

 対外試合初戦を控えた藤浪が、宜野座のブルペンに登場した。梅野を座らせて39球を投じた。カーブ、カット、スライダー、ツーシーム、フォーク、チェンジアップ…。バリエーションを増したすべての球種を確認した。打者と戦う準備ができた。

 「前回は紅白戦で、対外試合からは離れていましたから。打者との感覚を取り戻したいです」

 藤浪のテンションが高まるのにともなって、開幕までの登板スケジュールも浮かんできた。中西投手コーチは「3本柱は大体な」と能見、メッセンジャー、藤浪の3人は日程を固めたことを示唆した。詳細は明かさなかったが、今日25日に登板した後は、1年目に実戦デビューした地の高知・安芸で3月1日ロッテ戦に先発。その後は毎週土曜日に登板する予定のようだ。1年目の公式戦は日曜日先発が通例で「サンデー晋ちゃん」と呼ばれた。さしずめ「サタデー晋ちゃん」として2年目開幕に突き進む。

 本拠地甲子園の初登場は8日の日本ハム戦。場合によっては高校時代のライバル大谷と初の投げ合い、あるいは斎藤との「V腕対決」が実現するかもしれない。仕上げは22日、京セラドーム大阪でのオリックス戦。シーズンでもサタデーなら、東京ドームに乗り込む開幕カード巨人戦での出番は3月29日の2戦目か。もちろん開幕投手だって狙える調整舞台だ。

 3月に週末登板でイニングを増やしていくのは昨季と同様だが、内容はまったく違ったものになりそうだ。筋力トレと食事管理で体はひとまわり大きくなった。インステップを微修正、右打者の外角、左打者のインコースを突けるようになった。さらに今キャンプは、初日から一貫してセットポジションで投げている。

 「自分で考えてそうしているようだ。セットの方が動きが少ないからバランスがいい。目指すはダルビッシュなんだろうな」

 中西投手コーチは、高みを目指す藤浪の挑戦を見守っている。より強く、正確に、そして実戦的になった。それが2年目の藤浪だ。

 「打たれるかも知れないけど、打たれてもどうこうはない。結果よりも内容が大事かなと思います」

 今シーズン、一気にエースとなる可能性を秘めた怪物右腕が、いよいよ戦闘モードに突入した。【鈴木忠平】