<オープン戦:巨人5-5日本ハム>◇23日◇東京ドーム

 開幕スタメン当確だ。日本ハムのドラフト3位ルーキー岡大海内野手(22=明大)がド派手アピールでオープン戦を締めた。23日の巨人戦(東京ドーム)で3点を追う7回。1点を返し、なおも2死三塁で右翼席へ2号同点本塁打を放った。オリックスとの本拠地での28日開幕戦の先発は確実になった。故障で出遅れていたホアン・ミランダ内野手(30=メキシカンリーグ)も8回に来日1号本塁打。開幕オーダーが見えてきた。

 岡が祝砲で「サクラ」を咲かせた。オープン戦を本塁打締めで開幕スタメンを決定的にした。7回。2死三塁の好機で負けん気はピークに達した。「打つ技術よりも気持ちが勝った打席だった」。1、2回に飛球を見失う守備のミス。やり切れない思いを爆発させた。セドンの外角高め直球を一心不乱に食らいついた。右翼席一直線の2号2ラン。オープン戦2試合目の2月23日DeNA戦の本塁打以来の1発で最後のアピールを終えた。

 空席だった右翼の座を勝ち取る合格点を出した。オープン戦15試合に出場し打率3割8分1厘。50メートル5秒7の俊足を生かし3盗塁と持ち味を発揮。即戦力の期待を上回る驚異的な結果を残した。「三振だけはなくしていこうと思っている」。今後も「9番・右翼」での起用が濃厚。昨季は糸井のオリックス移籍で右翼は大谷、佐藤賢ら日替わりで固定出来ずにいた。栗山監督は「(開幕スタメンは)必死になって勝負してみます。(ミスのあとも)下を向かないで前を向いて攻められるのがいい」と評価した。

 どこか憎めない愛されキャラで春季キャンプは2軍スタートも途中で1軍昇格から、あっという間にチームになじんだ。選手会長の大引は「天然なのかな?

 いいキャラをしている」と好感を持っている。岡は野球人生未経験の外野手には人間離れした適応力で、レギュラーをつかむまで習得した。大引は「順応する能力にたけている」とチームメートも絶賛する才能を持っている。

 たゆまぬ向上心は岡の魅力の1つ。1軍スタートが目の前に迫っても浮かれた気持ちはない。「まだ開幕1軍が決まったわけではない。しっかり練習した上でスタメンを取れたら」。1本塁打の喜びよりもミスの悔しさが原動力になっている。謙虚に、ひたむきに。晴れやかなプロデビューの舞台まで、おごりなく進んでいく。【田中彩友美】