<福岡6大学野球:九産大3-0福工大>◇優勝決定戦◇5日◇筑豊緑地

 九産大が、優勝決定戦で福工大を破り、2季ぶり33度目の優勝を決めた。中2日で先発したエース榎下陽大投手(4年=鹿児島工)が福工大を4安打完封した。3位で並んだ九共大と福教大は九州大学選手権代表決定戦に臨み、九共大が福教大を2-1で破った。上位2チームと九共大は、九州大学選手権(16日から、福岡ヤフードームなど)で、明治神宮大会(11月13日から、神宮)への出場権を争う。

 「榎下コール」がわき起こる中、エースの体が宙に舞った。榎下は「最後に勝ちたかったので最高の気分です」とゲンをかついで開幕前からのばしていた髪をなでた。優勝決定戦で完封し、有終の美を飾った。

 有言実行だった。「完封します」という4日の宣言通り完封を目指して1回からとばした。この日の最速は145キロ。直球で追い込むとカットボールやフォークで三振を奪い11奪三振。三塁を踏ませない投球で福工大打線を沈黙させた。「すべてを出して優勝できたと思います」。充実感があふれていた。

 4年間で着実に成長した。1年のときは変化球でかわす投球が目立ったがトレーニングで下半身を強化し、最速は150キロに達した。「直球に自信が持てるようになってまっすぐで勝負できるようになりました」。入学時の目標だった学業との両立もこなし、英語の教員となる教職課程の単位を取得した。

 リーグ優勝を決めて、次のステージへ踏み出す。6日、白川貴一捕手(4年=九産大九州)とともにプロ志望届けを提出する。「最後は神宮に行きたい」。ドラフトの翌日は九州大学選手権決勝トーナメント。全国の頂点をつかみプロ入りするのが榎下の次の目標だ。【前田泰子】