中日ドラフト1位指名の佛教大・大野雄大投手(22=京都外大西)が29日、京都市の大学で中田宗男スカウト部長(53)、米村明スカウト(51)の指名あいさつを受けた。中田スカウト部長は「左腕で主戦になれる投手がほしかった。昨秋の明治神宮大会の完封(九産大戦)を見たときから、大野君を1位で行こうと決めていた」と、エースへの成長を熱望。大野もドラフト1位の自覚で臨み、いずれは巨人ドラフト1位の中大・沢村拓一(4年=佐野日大)とリーグのエースを争う意気込みを示した。

 落合監督のサイン入りのドラフト会議入場用IDとピンバッジ、「とらや」のようかんを手土産に現れた2人に、大野は「1週間ほど前に『中日1位は沢村』と新聞で読みましたが、そうだったんですか?」と“直球”を投げ込んだ。中田スカウト部長は「五分五分だった」と答えたが、理由は大野の左肩痛。それも大野の症状を詳細に聞いてチームドクターに確認し、軽症の判断を得た。迷いなく恋人指名に踏み切った。

 山本昌やチェンに続く存在として「沢村より大野」を選んでくれた球団に、大野も感謝する。「沢村のことは最近はすごく意識します。ぼくと同じ時期にけがをして、彼はしっかり治して秋に投げた。差は感じている。追いつかなければいけないと思う。(対決できる)セ・リーグにいてくれてよかった」と、いずれは竜投を代表するエースとして巨人沢村と投げ合うことを誓った。【堀まどか】