西武がドラフト2位で指名した千葉国際・相内誠投手(18)が、4日深夜に無免許運転を行いスピード違反で千葉県警に摘発されていたことが7日、わかった。この日同校で会見が開かれ、相内に無期限謹慎の処分を下したと発表した。相内は書面で「周りの人に支え、助けてもらいドラフト指名という最高の形で実になったのですが、僕が犯してしまったことで、台無しになってしまいました」と謝罪。西武は入団の可否も含め動向を見守る方針だ。

 相内本人は会見に出席せず、大谷晋示校長(48)と野球部高瀬忠章監督(67)が不祥事について謝罪した。未成年の起こした事件だが、学校側は名前を公表して発表した。その理由について、高瀬監督は「いち高校生であると同時に、これだけ騒ぎになりましたから公人としてちゃんと発表して、指導を受けなさいということです」と説明した。

 学校の発表によれば、相内は3日午後8時まで君津市内の自動車教習所へ通っていた。その後、東京スカイツリーへ同校野球部3年の友人と2人でドライブに出かけた。その帰り道で仮免許を取得していた相内は「俺に運転を代わってくれ」と懇願。車を所有する友人は止めたが無理やり運転を代わったという。

 首都高速湾岸線から東京アクアラインを運転し、木更津金田料金所1・5キロ手前で千葉県警の覆面パトカーにより、4日深夜0時42分に摘発された。摘発理由はスピード違反。アクアラインの制限速度を29キロオーバーする時速109キロで運転していた。摘発された際、相内は「ああこれでもうダメだ…」と頭を抱えていたという。

 西武に連絡を入れたのは4日午後7時。その4時間後に鈴木球団本部長と前田育成・アマチュア担当スカウトと面会した。鈴木本部長は「すごく申し訳ないという表現では足らないような、意気消沈、反省を言葉で表していた。ずっと泣きっぱなしでいました」と、その時の様子を説明した。

 学校は、相内が書いた反省文を報道陣に配布した。そこには「ドラフト指名されたことで満足してしまった。指名されたことによって、ホットして気持ちがゆるんでしまいました。だんだんと野球が大好きな本来の自分を見失っていき、このような問題を起こしてしまいました」などと書かれていた。高瀬監督は「許されるならこれを契機に一流の選手になれるようチャンスを与えていただきたい」と、更生の機会を切望していた。

 ◆相内誠(あいうち・まこと)1994年(平6)7月23日、千葉県柏市生まれ。小4から野球を始め、投手一筋。中学時代から児童養護施設で育った。高校では2年春からエースを任されたが、甲子園出場経験はなく、3年夏は3回戦敗退。最速145キロの直球に加え、カーブ、スライダー、フォーク、カットボールを操る。端正な顔立ちと、柔らかい腕の振りから「房総のダル」と呼ばれる。185センチ、70キロ。右投げ右打ち。血液型B。