中日のドラフト2位指名、四国ILplus香川・又吉克樹投手(22=環太平洋大)が26日、珍目標を掲げた。名古屋市内で東海テレビ「ドラHOTプラス」の生放送に出演し、お笑いコンビ、ピース又吉直樹(33)との同姓対談を熱望した。エリートとは真逆の道を歩んできた“超雑草男”は、又吉姓有名人とのツーショットを夢見た。

 世にも珍しいニアミスだった。2日前に中日から2位指名されたばかりの又吉は、1位鈴木、3位桂とともに名古屋・栄にある久屋大通公園で行われた公開生放送に出演した。そのわずか100メートル離れた場所では、ピース又吉がテレビ収録をしていた。こんなに近いのに…。売れっ子芸人のスケジュールの都合で、対面はかなわなかった。

 又吉姓は沖縄がルーツのようだ。珍名と思われがちだが、地元では「学年に3、4人はいた」というスタンダード。それでも沖縄を離れると目にしたことがなく「芸人の又吉さんくらいですよ」と意識する存在だった。奇跡の対面を逃してしまった又吉だが「相手に呼ばれるくらい有名になりたい。そうなれば“ダブル又吉”ですね」とさらに思いが強まったようだ。

 独立リーグ史上最高の2位指名。これまでは、並のプロ野球選手とは違う道を歩んできた。本格的に投手に転向したのは、環太平洋大に入学してから。中学、沖縄の西原高時代のポジションは「内野と補欠だった」。高校時代は打撃投手として1日200球を2週間投げ続けたことがある。「あの経験があったから良かったのかも」とポジティブだ。

 月給12万円の独立リーグで学んだのは野球に対するハングリーさ。使ってくれるなら何でもしますという貪欲さだ。「便利屋になりたいんです。大学時代も基本は連投。先発、中継ぎ、抑えのどこでもやりたい」。竜の又吉、働き者の又吉として、全国にその名を売る。【桝井聡】

 ◆又吉克樹(またよし・かつき)1990年(平2)11月4日、沖縄県浦添市出身。西原、環太平洋大を経て、13年四国ILplus香川に入団。1年目から最多勝でMVPを獲得した。変則的なサイドスローから繰り出す最速147キロの直球が武器。家族は両親と兄、弟、祖母。血液型はA型。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。

 ◆又吉直樹(またよし・なおき)1980年(昭55)6月2日、大阪府寝屋川市出身。ピースでボケ担当。北陽(現関大北陽)卒業後、99年に吉本総合芸能学院東京校入学。03年、綾部祐二とピース結成。「よしもとオシャレ芸人ランキング」で11、12年と2連覇。趣味・特技はサッカー、読書、散歩。血液型はB型。164センチ、58キロ。