DeNA1位指名の日本生命・柿田裕太投手(21=松本工)が18日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円、年俸1500万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。背番号は未定。プロ入り後の抱負を聞かれ、真っ先に口にしたのは「小林さんと戦いたい」だった。

 日本生命でバッテリーを組んでいた小林誠司捕手(24=同大)もこの日、巨人と仮契約を結んだ。元女房役の行き先は、DeNA中畑清監督(59)が最もライバル視する巨人。既に中畑イズムが浸透しているのか、柿田は「小林さんはチャンスで勝負強い。弱点は分からないですが、絶対倒します。勝利へ導きたい」と表情を引き締めていた。

 DeNAは今季、6年ぶりに最下位を脱出した。だが、巨人との対戦成績は5勝18敗1分け。ライバル制圧へ、最速146キロの直球とスライダー、フォークなどで三振を取る右腕の開幕1軍は必須条件だ。この日、同席したDeNA吉田スカウト部長も「当然即戦力。まだ若くて伸びしろもある」と期待した。柿田は「三浦(大輔)投手のように精神面、ピンチでの強さを目指したい」と決意した。

 指名あいさつでは、中畑監督から「花咲かじいさん」とちゃめっ気ある愛称を享受。「ネットで知りました。そう言ってもらえてうれしい」と歓迎の様子だ。小林斬り、そして巨人キラーへ、名付け親とともに花を咲かせる。【栗田尚樹】