侍ジャパン大谷翔平投手(28=エンゼルス)が6日の阪神戦で打席に入ると、懐かしのメロディーが球場内に鳴り響いた。17年まで在籍した日本ハム時代の応援歌。歌詞は次の通りだ。

迷わずに駆け抜けろ

伝説の幕が開ける

さあ気持ち込めて

進め 狙い定め

跳べ!大谷!

夢の向こう側へ

この応援歌は大谷がプロ1年目だった13年シーズンの開幕前に制作された。高卒ルーキーに応援歌がつくられること自体が超異例だが、日本ハムの私設応援団「全国闘将会」は、当時は懐疑的な見解もあった投打二刀流の挑戦を後押しすべく、オープン戦から使えるように準備した。大谷がメジャー移籍するまで、ずっと使用されてきた。

実は、この応援歌自体も規格外だ。意図的に長い。例えば、日本ハム清宮幸太郎内野手(23)の場合は、こうだ。

描き出す

理想(おもい)は久遠(はるか)高く

鍛えし腕(かいな)で

清宮打て

主に歌詞が4つのパートでくくれるが、大谷の場合は6つのパートがある。時間的には清宮ら他の日本ハム選手の場合は約10秒で歌いきれるが、大谷は約15秒。誰も歩んだことのない道を進もうとする若者へのエールが、応援歌に込められている。

6日のヒーローインタビューの締めで、大谷はユーモアたっぷりのメッセージをファンに伝えた。「まだまだ声援が足りないので、もっともっと大きい声援をよろしくお願いします」。ならば、歌うしかない。WBC期間限定で復活する、大谷の応援歌。大谷はきっと、日本の野球ファンも一緒に、夢の向こう側へ連れて行ってくれる。【木下大輔】