最年長のレジェンド右腕が東京ドームに帰ってくる。ダルビッシュ有投手(36)が9日、先発する10日のWBC1次ラウンド韓国戦に向けてキャッチボールなどで調整した。14年前、09年のWBC決勝では抑えとして胴上げ投手にもなった。伝説のシーンとして歴史に刻んだ時の相手が韓国だった。永遠のライバル国を相手に、11年10月29日のCSファーストステージ西武戦以来、11年半ぶりに凱旋(がいせん)登板する。

東京ドームのファンも温かく歓迎した。入場セレモニーでダルビッシュの名前がコールされると、一段とボルテージがアップ。ゆったりと走りながら歓声をかみしめた。東京ドームでの登板は11年7月20日の楽天戦以来となる。

できる限りの準備を行ってきた。メジャー選手は強化試合前まで出場できないルールのため、2日の中日との合同練習でのライブBPで3イニング相当、打者12人との対戦で3安打2失点が最後だった。中7日の登板に「妥協しないように、気は抜かないようにしていきたい」と話していた。ストイックに自らの身体と向き合ってきた。

宮崎での強化合宿中から、侍ジャパンの中心に“ダル先生”がいた。投手全員参加の「宇田川会」では、ナインになじむのに苦労する宇田川を気遣って積極的に話を振った。先輩として焼き肉の会計もタクシー代も全て支払った。若い投手陣からの質問にもNGなく答え、親身に寄り添ってきた。ダルビッシュが侍の後輩たちと日本中の注目を背に、マウンドで躍動する。【小早川宗一郎】