大役を託されても、侍ジャパンの佐々木朗希投手(21)に無用な気負いはなかった。

準決勝メキシコ戦の先発が確実な右腕は、チャーター機でフロリダ入り後、他の投手陣らとともに17日(日本時間18日)正午からの自主練習に参加した。時差ボケ解消を促し、しっかりと汗を流して決戦への準備を再開。気持ちよさそうに南国の太陽光線を浴びた。「長いフライトだったので、体をほぐすイメージで、特に時差ボケもなく、順調に来ているかなと思います」。ランニング、キャッチボール、遠投など、ゆったりとしたペースで汗を流した。

約13時間半に及ぶフライトでは、ダルビッシュから睡眠を促す効果のあるサプリメントグミをもらったこともあり「よく寝ました」とスッキリした表情を浮かべた。練習後は地元のファンに笑顔でサインをするなど、いつもの様子だった。

重圧を感じても、不安はない。大会初登板となった11日のチェコ戦では、4回途中2安打1失点(自責0)8奪三振。最速164キロをたたき出すなど、着実に調子を上げてきた。練習後に決まった相手のメキシコは、スタメン全員がメジャーリーガー。「いい打者がたくさんいると思うので、映像を見ながら勉強していきたいと思います」。予習の重要性を意識する一方で、自らの体調と向き合う姿勢は変わらない。「自分のできるパフォーマンスを出すことが大事。そのために、いい状態で臨めるようにしたいと思います」。

米国初登板でもあり、他国の打者にとっては「初見」となるだけに、快投の期待は高い。「優勝に向かってやって来た」と熱い思いを明かした令和の怪物が、本場米国でベールを脱ぐ。

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