【マイアミ(米フロリダ州)17日(日本時間18日)】大谷が同僚対決第2弾を制し、世界一へ王手をかける。侍ジャパンの20日(同21日)の準決勝の相手が、2大会連続準優勝のプエルトリコを下したメキシコに決まった。

大谷翔平投手(28)は、エンゼルスで仲良しのメキシコ代表パトリック・サンドバル投手(26)と激突する。16日の準決勝イタリア戦では同僚のDa・フレッチャーと対戦。今度は打者大谷と日本戦先発のサンドバルの対決が実現する。ヒル監督を始めエ軍関係者が数人いるメキシコ代表。米国にも勝利した強豪と、負けられない戦いに臨む。

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大谷が再び、同僚との真剣勝負に挑む。鮮やかな逆転勝ちで波に乗るメキシコの先発は左腕サンドバル。冗談を言い合い、親交を深めてきた仲間が、世界一を目指す大谷に立ちはだかる。プエルトリコ戦後、サンドバルは大谷について問われると「誰? 聞いたことあるね」と、とぼけながら知らないフリ。もちろん冗談で「すごくいいチームだし、いい打線。面白くなるよ」と不敵に笑った。

春季キャンプではキャッチボール相手となり、隣同士で笑顔を見せながら会話するなど、仲の良さは折り紙付き。それでも「もう今はそんなことない(笑い)」。続けて、最近の連絡についても「彼とは全くとっていない。今は敵だから」とライバル心を燃やした。勝算について「自信はすごくある。(その質問は)冗談だろ。今のこのチームを見てくれ」と胸を張った。

一昨年から先発ローテーションに定着し、急成長を遂げた左腕。昨年は負け越しながら防御率2・91と安定感があった。球数が多くなる傾向はあるが、150キロ前後のフォーシームは威力があり、速球と同じ腕の振りから沈むチェンジアップを武器とする。今季は先発で大谷に次ぐ2番手を任される見込みだ。また、大谷とは2月にライブBP(実戦想定の投球練習)で対戦。「キャンプ序盤か、その前だったかな。最初は三振で、次は左翼にライナーで打たれた」と明かした。

昨年8月31日ヤンキース戦では、大谷が2年連続となる30号でサンドバルを援護。二刀流が「攻撃に本当にいいリズムをくれるピッチングだったので、素晴らしい活躍だったと思います」と左腕の快投を喜んだ。エ軍で一塁ベースコーチを務めるヒル監督やブルペン捕手のデル・カンポ氏を含め、エ軍に在籍するコーチ陣が4人。過去のデータや研究で、丸裸にされる可能性もある。信頼を寄せる仲間が、今回はライバルとなる。

渡米前「あと2試合なので、引き続き気を引き締めたい」と話していた大谷。3大会ぶりの世界一を目指す日本と、初優勝へ勢いづくメキシコ。見逃せないガチンコ勝負となる。【斎藤庸裕】

◆大谷翔平(おおたに・しょうへい)1994年(平6)7月5日、岩手県生まれ。花巻東から12年ドラフト1位で日本ハム入団。16年MVP。17年オフにエンゼルス移籍。18年新人王、21年MVP。

◆パトリック・サンドバル 1996年10月18日、米カリフォルニア州生まれ。15年ドラフト11巡目でアストロズ入団。18年途中にエンゼルスに移籍し、翌19年メジャー初登板。通算10勝24敗、防御率3・70。