<WBC:メキシコ5-4プエルトリコ>◇準々決勝ラウンドC組◇17日(日本時間18日)◇フロリダ州マイアミ

どうするメキシコ戦。中米の雄メキシコが、難敵プエルトリコを逆転で退け、初の4強入りを決めた。

初回に4点を先制されながら、徐々に追い上げ、7回に集中打で逆転に成功。好継投で逃げ切った。20日(同21日)の準決勝で対決する日本にとって、警戒すべきポイントとは-。

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1次ラウンドでV候補の米国を撃破し、C組1位で勝ち上がったメキシコの実力は、やはり本物だった。初回に4点の先制パンチを浴びながら、徐々に反撃を開始。2-4と2点を追う7回、一気に3点を奪って逆転に成功した。

米国代表のトラウト(エンゼルス)、ベッツ(ドジャース)のようなスーパースターはいない。だが、玄人好みのシブい職人たちが、ラインアップに名前を連ねる。キューバ出身ながら、メキシコに亡命してメジャー入りしたアロザレーナ(レイズ)は、20年ア・リーグ優勝決定シリーズで新人野手初のMVP、21年新人王の「大舞台男」。この日も1番で3出塁し、守備でも美技でピンチを救うなど、脚光を浴びる晴れ舞台にはめっぽう強い。

1次ラウンドの米国戦で2発5打点を挙げた元オリックスの3番メネセス(ナショナルズ)も好調を維持しており、要警戒の1人。元同僚の吉田が「彼はいい打者」と認めるほどで、内角球のさばきがうまく、パワーもあるだけに、走者を置いて迎えると厄介な存在になりかねない。昨季35本塁打の4番テレスが後ろに控えており、出合い頭の「ソロ本塁打はOK」でも、走者をためないことが重要となりそうだ。

2番バードゥーゴ(レッドソックス)をはじめ、クセ者ぞろいの攻撃陣と、タイプが異なる強力救援陣を持つのがメキシコ。ヒル監督(エンゼルス一塁コーチ)は「日本は素晴らしいチーム。大スターもいるからね」と自軍の大谷を意識して笑う一方で、言葉を続けた。「我々が恐れることはない。人気が優位かどうかなんて関係ない。フィールドでベストを尽くすだけだよ」。泥臭さも兼ね備えたメキシコは、前評判以上に底力を発揮し、結束力を高めてきた。派手さはなくても、手ごわい相手には変わりない。【四竈衛】

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