WBCで14年ぶりの世界一に輝いた侍ジャパンの栗山英樹監督(61)や選手、スタッフらが23日、決戦の地マイアミからチャーター機で成田空港に到着した。空港ロビーでは約1200人のファンに出迎えられ、大フィーバーとなった。

栗山監督を先頭に全員が連なるわけではなく、各選手がバラバラで出口からロビーに登場しただけに、大歓声は約15分に及んだ。準決勝メキシコ戦に登板した山本由伸投手(24=オリックス)はファンや報道陣に笑顔で手を振る場面もあった。「村神様ありがとう~」「侍魂、すごかったぞ~」と叫ぶ男性ファン。「全勝優勝おめでとう!」や岡本和真内野手(26=巨人)がインタビューで連発した「最高です」などの自作プラカードも掲げられた。侍ジャパンのユニホームだけでなく各球団のユニホームや、個人タオルなどで沸く光景は、オールスター戦の様相だった。

千葉・我孫子市から家族で駆けつけた風間ファミリーは最前列で声をからした。風間幸子さん(61)は「村上選手は不振だったのにメキシコ戦でサヨナラ打を打ってくれましたし、決勝ではホームランも。自分も頑張らなくちゃと思わせていただいたので、本当に感謝です」。ソフトバンクファンで孫の仁くん(11)も「僕もソフトバンクのプロ野球選手になって活躍して、メジャーにいって、WBCで世界一になりたいです」と夢を明かした。

千葉・四街道市内の高校に通う木曽茜さん(16)は準決勝でサヨナラのホームを踏んだ周東佑京外野手(27=ソフトバンク)と牧秀悟内野手(24=DeNA)の大ファン。「周東選手は顔が格好良いし、足が速いのが魅力です」。牧が目の前を通った際には「デスターシャ!」と大声で感動の感謝の意を表した。「牧選手、チラ見してくれました。うれしくて…マジで泣きました」と笑顔を見せた。

帰国の様子を2階通路の最前列から見守ったヤクルトファンの海野千夏さん(31)は、「いつも応援しているヤクルトの選手はもちろんですけれど、今回のWBCに出場した他の(球団の)選手好きになりました。ヤクルトと戦う時の楽しみになりました」。山田哲人内野手(30=ヤクルト)のうわちを持つ長男瑠郁(るい)くん(2)と感動をかみしめた。今月末にはプロ野球が開幕。「サッカーのW杯に比べたらWBCは盛り上がらないかなと思っていたのですが、盛り上がりましたね。WBCを機に熱い戦いに注目してほしいです」と球界の活性化にも期待を寄せていた。

警備が約60人、報道陣も約200人。選手が去ってから約1時間が経過しても興奮冷めやらないファンらが野球談議に花を咲かせていた。【鎌田直秀】

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