WBCで3大会ぶり3度目の優勝を果たした侍ジャパンが23日、凱旋(がいせん)帰国した。米マイアミから約14時間半のフライトで到着した成田空港は、出迎える大勢のファンで大フィーバーとなった。帰国直後に千葉・成田市内のホテルで行われた侍ジャパン優勝帰国会見はメジャー4選手を除いた選手と首脳陣が出席。村上宗隆内野手(23)は、3年後の次回大会では「全試合4番」での世界一連覇を誓った。

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壇上の最前列、栗山監督の右隣に座った村上は、はっきりと言った。3年後に開催予定の第6回WBCへの出場意欲を問われると「3年後に出て、次は全試合4番を打てるように頑張りたい」。マイクを持つと、よどみなく宣言した。

26年大会こそ、4番打者を最後まで全うする。今回は2度も“4番降格”の苦汁をなめた。

WBC開幕前最後の実戦となった7日のオリックスとの強化試合では6番でスタメン出場し、1回に3ランを放って調整を終えた。WBC開幕後は4番に復帰したが、1次ラウンド4試合は打率1割4分3厘で本塁打なしと苦しみ、16日のWBC準々決勝イタリア戦から5番となった。

最後は“村神様”の意地を見せた。米国で戦った準決勝メキシコ戦は逆転サヨナラ適時二塁打を決め、決勝米国戦は2回に自身WBC1号となる同点ソロ。全勝での世界一奪還に貢献した。「チームが勝つのが一番大事なことなので、すごく満足してます」と話した一方、「さらに目標を高く設定させられる大会になりました」と総括。視線は早くも26年を見据えた。

刺激を受けた存在は、やはり大谷だ。印象に残った場面を問われ、決勝戦の姿を思い浮かべた。「大谷さんが(7回に)内野安打で出て走塁した後に、ブルペンからマウンドに行く中でベンチから見ていて。ユニホームが汚れながらもマウンドに行く。夢のようなシーンでした」。メジャーでも投打で第一線を走る、揺るぎのない大スターの真の姿を目に焼き付けた。今度は自分が-。その思いを胸に、3年後は侍ジャパンの不動の4番で2度目の世界一連覇へ。帰国直後の決意表明だった。【木下大輔】

○…栗山監督が世界一奪還の意義を熱弁した。優勝帰国会見で「子どもたちに、かっこいいなって思ってもらったと思う。こうなりたいって本当に思った時、人は頑張れると僕は思っているんで、そういう姿を選手たちが示してくれた、見せてくれたっていうのは、すごく大きかった」。選手たちへの感謝とともに、今後の日本野球界の裾野が広がることを期待した。

○…優勝帰国会見には今大会に加えて06年、09年大会の優勝トロフィーが勢ぞろいした。壇上の最前列に座った栗山監督の目の前には、準決勝メキシコ戦と決勝米国戦のウイニングボールが飾られた。準決勝の方は逆転サヨナラ適時二塁打を放った村上のサイン入り。大谷がトラウトから空振り三振を奪って世界一奪還を決めたボールには、栗山監督のサインが入っていた。

▽侍ジャパンが獲得したWBCの優勝トロフィーが24日から28日まで、野球殿堂博物館で展示される。

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