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杉内は２～４回、オーストラリアから５連続三振を奪った

＜ＷＢＣ・強化試合：日本１１－２オーストラリア＞◇２５日◇京セラドーム大阪

　中継ぎ陣は不安なし。２番手の左腕、杉内俊哉投手（２８＝ソフトバンク）が切れ味鋭いスライダーがさえわたって５連続三振を含む７人をピシャリ抑え込んだ。続く内海、渡辺、山口、涌井、藤川もノーヒットリレーでオーストラリア打線を封じ込めた。初めて組み替えた打線も４試合連続の２ケタ安打となる１６安打、１１点と爆発したが、マリナーズ・イチロー外野手（３５）はこの日も外野に打球が飛ばず、バットは湿りがちだ。

　圧巻の投球だった。２回２死二塁、先発松坂をリリーフした杉内は、２番コリンズから空振り三振を奪ってピンチを免れた。ここから５者連続三振を含め、直球、スライダー、カーブなどを駆使して２回１／３を完ぺきに抑えた。

　新球チェンジアップも使った。松坂とダルビッシュに握りを聞き、フォークのような落差を求めて改良を加えた新球のチェンジアップ。３回、３番スネリングを見逃し三振にきった後、４番フーバーを、そのチェンジアップで空振り三振に切って取った。

　新球への手ごたえもつかんだ杉内の第一声は「上出来やね。上出来！」。顔はほころび、声は弾んだ。「（新球の）メドが立ってきましたね。フォークに近い落ち方だと、打者が言ってくれるんで。ある程度投げられると分かって良かった。でも、１球えらいところにいっちゃった。あとはもっと精度を高めていかないといけない」。満足感とともに、気も引き締めた。

　松坂が２回途中で降板し、想像より早い登板になった。杉内にとって、昨年１０月７日の楽天戦以来、約４カ月ぶりのマウンドだった。「久々の実戦でめっちゃ緊張しましたよ。でも、早めにいくかもと思ってたんで、準備はしてましたから」。ちゃめっけたっぷりの笑顔で言った。

　もともと直球、スライダー、チェンジアップの３種を軸に配球を組み立ててきた杉内。縦の変化を求めて、チェンジアップを改良。同時にＷＢＣ合宿に入る以前のソフトバンクのキャンプ中には、カーブにもチャレンジしていた。

　０６年にもＷＢＣ日本代表に入ったが、投球フォームを崩し「前回は、全然働いてない」と悔しい思いしか残っていない。雪辱のために、新たな武器も取得した。「あれ（新しいチェンジアップ）がないと、僕は抑えられないんで」と口にした時、杉内の表情から笑みは完全に消え、戦闘モードに入っていた。【村上久美子】

　［2009年2月26日9時4分　紙面から］

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