「東京ドームから屋外。もちろん乾燥や気温の違いもある。アリゾナとロサンゼルスは、また違う。でも、ボールや球数制限なんかを気にして、神経質になってはいけない。とにかく自分のピッチングに集中すればいい。自分のボールを信じて、勝負すれば大丈夫。菅野なら大丈夫だから」

 雑念をなくし自分の土俵で投げる。国際試合無敗の鬼が、経験から導き出した極意だ。「オレもそうだったよ。韓国」と続けた。第1回WBC準決勝。1、2次リーグとも1点差で敗れた宿敵を7回無失点に封じ込めた86球。常にストライク先行、直球とフォークボールで淡々とアウトを刻み、最高の上げ潮で決勝へつないだ。

 平地で強めのキャッチボールを行い感触を確かめた菅野。ボールの違和感は「今のところ感じない。大丈夫です。いい準備ができれば」と言った。上原は「日本が勝ち上がってくると思っていた。代表のユニホームを着て練習する。手に入ったらね。ホントよ」と笑った。剣が峰を越えたから分かる日の丸の重さ。菅野が上原に続く。【宮下敬至】

 ◆F組の行方 F組は2勝目を挙げたプエルトリコの1位通過と、ベネズエラの敗退が決まった。1勝1敗で並んだドミニカ共和国と米国は、19日(日本時間)に直接対決。勝った方がF組2位となり、E組1位の日本と準決勝で対戦することになる。