中田に坂本勇、山田、松田…足でタイミングを取る選手は多い。打ち方はいまさら変えられない。軌道幅が大きく、重厚なボールにどう対応するか。8回、平田、小林、田中、坂本勇と安打を重ね奪った3点にヒントがあった。体の内側からバットを出し、中堅から逆方向に強く打った。天然芝でも打球は死なず内野を抜けた。スタンドではなく中堅。決めではなくつなぎ。意識の置きどころで打開できる。

 投手陣は、一喜一憂してはいけない。試合は気温37度、湿度3%で行われた。3日後の準決勝はロサンゼルス。予報は曇り時々雨。気温15度、湿度83%だ。メジャー9年目の上原が冷静に指摘した。「ロスとアリゾナは全く気候が違う。夜は冷えるし、こんなに乾燥していない。移動後の時間が重要。今ボールが扱えないから、イコール状態が悪いではない。その逆もある」。98マイル(約158キロ)を制御した則本。変則は効果的、を証明した宮西。好調を持ち込めるかが継投の分岐点だ。

 小久保監督の見立ても一致していた。「筒香はバリバリのメジャー相手にさすが。彼はドミニカにも行っている。ナイターで気温が下がる。対応が非常に難しい。なるべくいい状態で試合に臨みたい」。決戦までもう1試合、今日はドジャースから学べる。【宮下敬至】