ボクシングWBC世界バンタム級王者井上拓真(30=大橋)が、異例の2戦連続の指名試合で強敵を迎え撃つ。
トヨタアリーナ東京で同級1位那須川天心(28=帝拳)との再戦に判定勝利してから一夜明けた28日、横浜市の所属ジムで会見した。次戦はWBCから対戦を義務づけられた同級2位のシルバー王者アンドリュー・カイン(30=英国)とV3戦に臨むという。また兄尚弥(33=大橋)のフェザー級転向に合わせ、自身もスーパーバンタム級に転向することを視野に入れた。
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睡眠時間30分の寝不足状態を感じさせないすがすがしい表情だった。井上は「天心選手の知名度も高いし反響も大きい。返り討ちできて良かった」と安堵(あんど)の表情。1週間程度、休養した後には再び練習を開始する意向を示した。
次戦の相手は内定している。所属ジムの大橋秀行会長(61)によると、那須川戦に続き、WBCから異例となる2戦連続の指名試合を義務づけられた。同級2位のシルバー王者カイン(英国)の挑戦を受けるという。井上にとって24年2月のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)戦以来、6戦ぶりの外国勢との顔合わせだ。
井上は「モチベーションうんぬんはない。相手どうこうではなく、しっかり自分をつくりあげる」と言葉に力をこめた。大橋会長は「(出場興行は)未定」としたものの、来年3月予定で日本で開催されるサウジアラビア主催興行が有力。メインは4団体統一スーパーバンタム級王者の兄尚弥が務める見通し。今後、井上のサウジ興行初参戦の交渉も本格化する。
また同会長からは「スーパーバンタム級も選択肢」と提示された。過去に同級で日本、WBOアジア・パシフィック王座を獲得した井上だけに「自分はどちらでも。チャンスがあれば」と前向きだ。兄は来年中にフェザー級転向が確実。そのタイミングに合わせ、井上も階級変更を視野に入れた。【藤中栄二】
〇…井上が、那須川に向けてエールを送った。2度の世界戦を終え「キック界で無敗で(ボクシングに)きた。自分も戦うことによって成長できた。お互いもっと上のステージに行くことができれば」と期待した。今回の再戦は「これが最後だ」と銘打たれた。井上は「次もやるのは怖いとかはない。たとえあるとしたらやるだけ。『これが最後だ』と言われたので、ないのかな」と苦笑した。

