「今どきだなぁ」とほほえましい空気が流れた。
ボクシングのエスペランサジムが今月1日に兵庫県伊丹市のジムで4月9日に大阪の豊中176BOXで行う興行について会見した。メインは日本女子ミニマム王座決定戦(6回戦)で同ジムの同級1位ロリト麻理菜(29)と同級5位の一村更紗(27=ミツキ)が対戦する。
会見で隣に寄り添っていたのがトレーナーで夫のレイ・ロリト氏(32)。フィリピン出身で日本非公認のIBOライトフライ級王座を獲得、来日して大成ジムに所属した。「ボクシング」の共通項はあるが、夫婦となるまで2人をつなげたきっかけは「SNS」だったという。
麻理菜選手はプロデビューしてからSNSのフェイスブックを始めた。そこにレイ氏がDM(ダイレクトメッセージ)を送ってきたという。「『男ですか?』ときたんです。普通は無視するんですが、さすがに『いえ、女性です』と返して。それから『自分にトレーナーをやらせてほしい』ときてやりとりしました」。
今になって明かされたのは「男ですか?」は興味を抱かせるための作戦だったという。麻理菜選手は当然、警戒をしたが、同じフィリピン選手の仲介もあり、20年11月に初めて会ってからがスピードだった。「出会って1週間で交際し、3カ月で結婚しました」。ボクサーとして尊敬する実績に加え、人柄にひかれて電撃婚にいたったという。
「ボクシング」の共通ワードがあって、おたがいに支え合える。麻理菜選手はボクサー、理学療法士、主婦と「三刀流」をこなし、その多忙な生活をレイ氏が支える。
初めて挑む日本タイトルも通過点に位置づける。「目標はもっと上に向いている。その夢への第1歩として、日本のベルトを必ずとります。ジムに初めてのベルトを持ち帰って、次につなげたい」。自身を「スポーツも何でも負けず嫌い」と分析する。数年前は「格闘技は見るのも怖かった」という主婦が、夢の世界王者へ歩みを進める。【実藤健一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)
◆ロリト麻理菜(まりな) 旧姓・浜田。1994年(平6)2月4日、神戸市生まれ。中学からバスケットボールを始め、須磨学園へ。森ノ宮医療大学へ進み理学療法士の資格を取得。23歳時に「ダイエット目的で」ボクシングを始める。19年12月プロデビュー。戦績は5勝1分け。身長157センチの右ボクサー。


