真夏の真っただ中、WWEはトライバルチーフ(TC=部族長)の完全復活で一気に熱くなった。前WWEヘビー級、ユニバーサル統一王者ローマン・レインズ(39)がリング復帰。8月2日、米クリーブランドで開催された真夏の祭典サマースラム大会に登場した。4月に行われた年間最大の祭典レッスルマニア40大会以来、約4カ月ぶりのWWEマット。自身が統率してきたユニット「ザ・ブラッドライン」のTCの座を“強奪”した、いとこのソロ・シコアを襲撃した。
シコアが現統一王者コーディ・ローデスに王座挑戦し、両セコンドも入り乱れた激戦を展開。両者ともにダウンしていた時だった。レインズが入場曲とともに花道から姿を現すと立ち上がったシコアに対してスーパーマンパンチ、スピアーで制裁。約4カ月不在の間、好き勝手にユニットを掌握していたシコアに「宣戦布告」していた。
そして9日のスマックダウン大会では、リング上で「念のために言っておくが、TCはオレ」と言い放っていたシコアと再び対峙(たいじ)した。自身が率いていた時にはユニット加入していなかったタマ・トンガ、タンガ・ロアを蹴散らし、シコアに精神的なプレッシャーをかけた。復帰から着用しているTシャツには「OTC(オリジナル・トライバルチーフ)」の文字があった。
16日のスマックダウン大会でもレインズは動いた。再びリング上のシコアの眼前に立ち、殴り合うとクローズライン(ラリアット)を成功。タマ・トンガを蹴散らし、シコアに対してスーパーマンパンチ、スピアーを仕掛けて圧倒。会場のファンから大きな「OTC」コールを受けた。しかし現ユニットの1人、ジェイコブ・ファトゥによる襲撃をきっかけにシコア、トンガの反撃に見舞われ、3人によるトリプルパワーボムを食らう屈辱を味わった。
この4カ月間でWWEで人気のブラッドラインは大きく変貌した。シコアがTCを名乗り、ブラッドラインのリーダーとして君臨。トンガ、ロアの元新日本プロレスコンビに加え、ファトゥも迎えた。最後にユニットの「賢者」だったポール・ヘイマンを6月28日のスマックダウンで追放し、レインズが仕切っていたブラッドラインの顔触れとはまったく違うユニットになったと言っていい。
現時点でレインズは1人。数的不利で孤軍奮闘の状態にある。以前のユニットメンバーとなるジミー&ジェイのウーソ兄弟、サミ・ゼイン、シコアからの追放を最後に登場していない「賢者」ヘイマンの動向には注目する必要がある。再びブラッドラインののTCに戻るためには深刻な問題が山積しているのは間違いない。それでもレインズが姿を見せれば、会場からは「ローマン!」「OTC!」コールが続く。多くのファンの支持を味方につけ、レインズは本来の「ザ・ブラッドライン」を取り戻すことができるのか。今年後半に向け、レインズVS現ブラッドラインの抗争が、激しくヒートアップしそうだ。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)
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