年が明け、間もなく初場所が始まる。横綱稀勢の里は進退がかかり、関脇貴景勝は“場合によっては”大関とりになる。土俵外のトラブルもとりあえず落ち着いた。土俵の話題に専念する1年になってほしいと、心底思います。
昨年は土俵外の話題がてんこもりやったが、土俵も何かと荒れた。初場所の栃ノ心、名古屋場所の御嶽海、九州場所の貴景勝と初優勝力士が3人も飛び出した。年6場所制が定着した1958年(昭33)以降で見れば、00年(平12、初場所=関脇武双山、春場所=東前頭14枚目貴闘力、夏場所=小結魁皇)以来18年ぶり7度目のこと。
白鵬が3場所、鶴竜が2場所、稀勢の里に至っては5場所と、3横綱がこんだけ休場したら、そら新しい力も台頭しますわな。しかし、それではおもろない。下からの突き上げは土俵の活性化に不可欠やろうけど、それも「強い上位陣」を食ってこそと違いますか?
最高位の横綱はもちろんですが、個人的には、大関にもっと頑張ってほしい。大関27場所目を迎える豪栄道は昨年の九州場所前の巡業で言うてました。「ここ数場所はいい感じになってる。これを続けたい」。大関では最年長の32歳。体のあちこちが悲鳴を上げる中、場所前は毎度仕上がりの良さを見せながら、昨年は2桁白星が2場所だけではさみしいでしょ?
同10場所目で、まだ優勝のない高安は昨年の巡業中に「優勝できると思ってます」と、自分に言い聞かせるように話してました。昨年は3場所で優勝次点なんやから、そらそうでしょう。九州場所なんか、勝てば優勝決定戦やった本割で御嶽海に負けた。そろそろ詰めの甘さを克服してくれんと…。
同4場所目の栃ノ心は昨年初場所の平幕優勝から、一気に駆け上がったけど、大関昇進した名古屋場所6日目の玉鷲戦で右足親指の付け根を痛めて、急ブレーキがかかった。秋、九州場所はかど番などの重圧と、本調子まで戻らん体調に苦しんで、勝ち越しで精いっぱいやった。初場所後は「負ける気がしないね」とうそぶいてたのに、秋場所以降は「勝ってたら、15日間は早いけど…長いね」いう嘆きを何度耳にしたか。
低く、鋭い立ち合いから前みつをとって、一気に押し出す豪栄道。豪快なかち上げに加え、四つになっても腰の重さを見せる高安。右四つでまわしをとれば、怪力無双の寄りを見せる栃ノ心。全員、キャラクターは立ってます。
横綱を脅かし、下からの突き上げには仁王立ちで立ちふさがる-。平成最後の年が盛り上がるかどうかは、ひとえに3大関が強い大関でいてくれるかどうかにかかってる、と思ってます。【加藤裕一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)



