新年明けて早々に、大相撲初場所が9日から幕を開ける。昨年11月の九州場所で初の全勝優勝を果たした横綱照ノ富士の連勝はどこまで伸びるのか、その勢いを誰が止めるのかに注目が集まる。そんな中、7日に取組編成会議が行われ、初日の取組が決定。横綱照ノ富士の対戦相手は、小結に返り咲いた大栄翔(28=追手風)となった。

大栄翔といえば、昨年初場所で初優勝を果たし、技能賞と殊勲賞を獲得した実力者だ。同場所での、立ち合いから一気の出足と回転の効いた強力な突き押し相撲は、多くの相撲ファンを魅了した。そして、昨年9月の秋場所では、新横綱だった照ノ富士と9日目に対戦。のど輪とはず押しで攻め立てて金星を獲得した。初日から連勝を伸ばしていた新横綱に初めて土をつけ、勢いそのままに同場所では10勝。照ノ富士とは過去3勝6敗としているものの、好取組が目立っているだけに期待は持てる。

そんな大栄翔を、後援会や企業らも支える。土俵入りの際に締める化粧まわしは昨年の初場所までは5、6本ほどだったが、同場所で初優勝を果たすと一気に増えたという。昨年だけで14本まで増え、毎場所さまざまな化粧まわしを締めて土俵入りを行っている。その日に締める化粧まわしの種類は「師匠と相談して決めている」。東京場所と地方場所で種類を変えたり、贈ってくれた関係者が観戦に来る日が分かれば、その化粧まわしを締めるなどして、土俵の上から感謝の意を示しているという。

大栄翔は「本当に光栄なこと。うれしいですし、気が引き締まる思いです。応援してくださる方が増えたので、そういう方々の期待に応えられる相撲を取りたい」と結果での恩返しを誓った。2022年の目標は「立ち合いがまだまだだから、もっともっと強くしたい。どんな相手にでも立ち合いで負けないようにしたい」と鋭い出足をさらに磨く。

初場所初日の横綱照ノ富士戦で結果を出せば、自身にとっても応援してくれる関係者にとっても、最高の年明けになること間違いない。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)