キラリと光る活躍は改名のおかげ?
大相撲秋場所で東序二段76枚目の安西改め日煌(にっこう、21=陸奥)が6勝1敗と4場所ぶりに勝ち越した。七番相撲で柾富士(伊勢ケ浜)を下した後には大関霧島をはじめ兄弟子たちから稽古場で胸を借りて圧力が増したことを要因に挙げ、「番付を落としていた中で負けられないプレッシャーがありました。勝って終われて良かった」と声を弾ませた。
今年5月の夏場所前に実名で元兄弟子からの暴力被害を週刊誌で告発したことで一気に注目を浴びた。土俵の上で結果を出すしかないという気持ちが強かったが、西三段目90枚目の夏場所は2勝5敗、東序二段36枚目も2勝5敗。春場所(東三段目73枚目)に続き3場所連続で負け越しが続いていた。
もう負けられない-。不退転の決意で挑む秋場所を前に、本名の安西から「日煌(にっこう)」に改名した。もともと物事をネガティブに捉えやすい性格で、それを脱するべく前向きになりそうな明るい名前を付けようと腐心した。部屋のトレーナーらからアドバイスをもらい、最終的に「字画も良さそうだったので」と自分で決めた。
「にっこう」と聞くと栃木県出身に思われそうだが、福岡・筑紫野市生まれ。母子家庭で育ち故郷で暮らす母に心配をかけまいと稽古に励む日々は充実している。11月はご当地で行われる九州場所。新たなしこ名で「もっと輝けるように頑張ります」と誓った。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)