旭富士の序ノ口デビューからの連勝は25で止まった。歴代1位まであと2勝だった。旭富士の連勝により、あらためて注目されたのは、歴代1位の記録。佐久間山(後の常幸龍)の27連勝だ。
旭富士が生田目に敗れた名古屋場所9日目。元小結常幸龍の佐久間貴之さん(37)は仕事が休みだったため、妻と次男と一緒にNHKのBS放送で旭富士の取組を見た。日を追うごとに記録に迫られていたが「抜くんじゃないかと思っていました。そんなにこだわりはありませんでした」と平静だった。
ただし、家族の思いは別だった。生田目が勝つと、次男の日彩(ひいろ)さんは興奮してほえた。「やっぱ、お父ちゃんはすげえ記録を作ったんだ」と言って改めて父を尊敬したという。佐久間さんは「次男は生田目を応援して、ファンになろうとしていました。勝った瞬間はほえていましたね(笑い)」とリビングでの光景を教えてくれた。
日大で学生横綱にもなった佐久間さんが記録を作ったのは、木瀬部屋が北の湖部屋預かりだった2011年5月から翌年にかけてのころ。「連勝記録より、1場所でも早く関取に上がりたかった。(同期の)千代大龍が付け出しで出て先に関取になっていたので、置いていかれないようにしたかった」。
部屋が一時的に合併して大人数となったため、序ノ口がちゃんこを食べるころにはおかずがほとんどなくなってしまう日もあったという。幕下で初黒星を喫したが、出世は早かった。板井と土佐豊に並ぶ、初土俵から史上1位タイ(付け出し除く)の所要6場所で新十両に昇進。旭富士が敗れたため、この記録も維持されることになった。
最高位は小結。2022年秋場所で引退した佐久間さんは現在、「横綱とんかつ どすこい田中」で働く一方、母校・日大の通信教育課程で教員免許取得を目指している。来年は、教育実習も控えているという。「指導者になりたいので、勉強しつつ頑張っています。楽しいっすよ」と声を弾ませていた。【佐々木一郎】(ニッカンスポーツコム・大相撲裏話)


